ドローンの現場装備リスト|看板・コーン・無線・記録用具は何を基準に選ぶか

ドローンの現場装備リスト|看板・コーン・無線・記録用具は何を基準に選ぶかのアイキャッチ画像 現場の実務

機体が届き、登録も済み、点検の手順も覚えた。ここまで来て、次に出てくる問いがこれです。

「現場には、機体のほかに何を持っていけばいいのか」

この問いの答えを通販サイトの「ドローン用品」の棚から探すと、たいてい遠回りになります。買ったのに使わない物が増え、必要な物が抜けるからです。

装備は好みで決まるものではなく、その日の飛行がどの形態に当たるかで先に決まっています。この記事では、法令と教則の記述から装備を積み上げ、最後にそのまま使えるリストの形にまとめます。

最初に一番大事なこと看板とコーンは「あると親切な物」ではなく、国が立入管理措置の例として名指ししている道具です。教則第5版は、立入管理措置の内容を「第三者の立入りを制限する区画(立入管理区画)を設定し、当該区画の範囲を明示するために必要な標識の設置等」と定義し、その例として「関係者以外の立入りを制限する旨の看板、コーン等による表示、補助者による監視及び口頭警告など」を挙げています。カテゴリーⅡ飛行を立入管理措置つきで行うなら、これらは装備の中心に置く物です。

装備は「あると便利な物」ではなく、飛行の形態から決まる

現場装備を考えるときの順番を、先に固定しておきます。

まず、その日の飛行が特定飛行に当たるかを確認する。当たるなら、どの区分か。人口集中地区の上空か、夜間か、目視外か、催し場所の上空か、物件との距離30m未満か。ここが決まると、標準飛行マニュアルの該当条項が決まり、そこに書かれた体制が決まります。体制が決まると、必要な道具と人が決まります。

この順番で積み上げると、装備リストには理由が付きます。理由が付いた物は現場で使われ、理由のない物はケースの底で眠ります。逆に「先週これで足りたから今週も同じ」という持ち方は、形態が変わった日に穴が開きます。

講習の現場から講習では、機体と送信機とバッテリーの話は熱心にされる方が多い一方で、「立入管理措置を実際にどうやるか」は手薄になりがちです。学科で区画の設定を覚えていても、現場で「では今日は何を置きますか」と聞くと言葉に詰まる方が少なくありません。机上と現場の落差が大きい論点です。

携行が義務づけられている物は3点ある

まず、法律が「持っていなさい」と言っている物から押さえます。教則第5版 第2章は、特定飛行を行う際に携行(携帯)する物として、次の3点を挙げています。

携行する物 中身と注意点
許可書・承認書 原本または写し。口頭で許可等を受け、まだ交付を受けていない場合は、許可等の年月及び番号を回答できるようにしておく
技能証明書 技能証明を受けている場合に限る
飛行日誌 紙でも電子データでも形態は問わない。ただし必要に応じ、速やかに参照や提示ができる状態にしておく

飛行日誌について、教則第5版 第3章は「飛行日誌は、紙又は電子データ(システム管理を含む。)の形態を問わない」としたうえで、「特定飛行を行う場合には、必要に応じ速やかに参照や提示できるようにする必要がある」と書いています。

ここで効いてくるのが、現場の電波状況と端末の電池です。クラウド上の飛行日誌は圏外では開けず、電池が切れれば提示できません。電子で管理するなら、予備電源か控えを別に用意しておくのが安全側の運用です。

見落としやすい点飛行日誌は、飛行記録だけではありません。日常点検記録と点検整備記録を含めた3つで一組です。現場で使うのは主に飛行記録と日常点検記録ですが、提示を求められて出せるのは「飛行日誌」という束のほうです。

立入管理措置の道具 — 看板とコーンは何のために置くのか

教則第5版 第3章の定義を、もう一度そのまま置きます。

立入管理措置の内容は、第三者の立入りを制限する区画(立入管理区画)を設定し、当該区画の範囲を明示するために必要な標識の設置等としており、例えば、関係者以外の立入りを制限する旨の看板、コーン等による表示、補助者による監視及び口頭警告などが該当する。

立入管理措置には2つの仕事があります。区画を設定することと、その範囲を外から分かるようにすることです。コーンは範囲を示す道具、看板は意思を示す道具、補助者は動く人に対応する手段。役割が違うので、どれか1つで代替はできません。

コーンの数は、面積ではなく人が入ってくる経路の数から決めるのが現実的です。囲まれた敷地なら開いている入口だけを塞げば足りますが、開けた河川敷では経路が無数にあるため、コーンだけでは足りず補助者の配置が要ります。

看板に何を書くか

教則第5版 第6章は、一等の目視外飛行に関する記述の中で、立入管理区画を設定した場合について次のように書いています。

立入管理区画を設定した場合は、当該立入管理区画に立看板等を設置するとともに、インターネットやポスター等により、問い合わせ先を明示した上で上空を無人航空機が飛行することを第三者に対して周知する。

読み取れる要素は3つ。上空を無人航空機が飛行すること関係者以外は立ち入れないこと問い合わせ先です。市販の汎用看板は最初の2つしか満たしていないことが多いので、問い合わせ先を書き足せるかを見ておくと使い回しが利きます。

レベル3.5でも看板が不要になるわけではない教則第5版は、レベル3.5飛行について「一定の要件を満たすことにより、従来求められていた立入管理措置のうち補助者の配置や看板の設置等を機上カメラでの確認に代替するものであり、立入管理措置そのものが不要となるわけではない」と明記しています。代替であって免除ではない、という整理です。

催し場所の上空では、区画の大きさが先に決まる

装備の量が飛行の形態でどう変わるか、いちばん分かりやすいのが催し場所の上空です。標準飛行マニュアル①(場所を特定した申請について適用)は、高度に応じた立入禁止区画の大きさを表で定めています。

飛行の高度 立入禁止区画
20m未満 飛行範囲の外周から30m以内の範囲
20m以上50m未満 飛行範囲の外周から40m以内の範囲
50m以上100m未満 飛行範囲の外周から60m以内の範囲
100m以上150m未満 飛行範囲の外周から70m以内の範囲

高度を上げるほど区画は広がります。区画が広がれば、囲うための道具も、監視する人の数も増えます。「高く上げたほうが安全」という感覚は、装備の面では逆に働くということです。

同じ条項には、ほかにも条件が並んでいます。プロペラガードを装備して飛行させること。地表等から150m未満で飛行させること。飛行速度と風速の和が7m/s以上の状態では飛行させないこと。無人航空機の飛行について補助者が周囲に周知を行うこと。催しの主催者等とあらかじめ調整を行うこと。

教則第5版 第3章にも、催しの場所での飛行について「風速5m/s以上の場合は飛行を中止することや、機体が第三者及び物件に接触した場合の危害を軽減する構造を用意していること」が必要と書かれています。

用語の整理「立入管理区画」は教則の語、「立入禁止区画」は標準飛行マニュアルの語です。指しているのはどちらも第三者の立入りを制限する区画ですが、文書によって呼び方が違います。申請書や飛行マニュアルを書くときは、その文書が使っている語に合わせてください。

補助者と操縦者をつなぐもの — 無線機は法令から選ぶ

補助者を配置するなら、連絡手段は装備です。教則第5版 第5章は補助者について「操縦者とのコミュニケーションは予め決められた手段を用いて行い、危険予知の警告や緊急着陸地点への誘導、着陸後の機体回収や安全点検の補助も行う」と書き、一等向けの目視外飛行の記述では「操縦者と補助者は常時連絡が取れる機器を使用する」としています。

また第2章は、飛行の際には「携帯電話(通話可能範囲を確認しておく)等により関係機関(空港事務所等)と常に連絡がとれる体制を確保する」としています。空港周辺では、補助者との連絡とは別にこの回線が要ります。

日本国内で使える無線の区分

問題は、どの無線機を選ぶかです。ここは電波法の話なので、感覚で選ぶと違法になります。総務省の資料から、業務連絡に使われる主な区分を整理します。

区分 手続き 主な諸元と注意点
特定小電力無線局(いわゆる特定小電力トランシーバー) 免許・登録とも不要。無線従事者資格も不要 空中線電力1W以下、総務省令で定める型式・周波数、混信防止機能、技術基準適合証明を受けた無線設備であることが条件。到達距離は短い
デジタル簡易無線(登録局) 登録が必要。資格は不要 351.03125〜351.1MHz、351.2〜351.63125MHz、82チャンネル、最大5W。他人との通信が可能で、レジャー利用もできる
デジタル簡易無線(登録局・上空利用) 登録が必要。資格は不要 351.10625〜351.19375MHz、15チャンネル、最大1W。上空での利用が認められている区分
デジタル簡易無線(免許局) 免許が必要 465.096875〜465.153125MHz、467〜467.4MHz、75チャンネル、最大5W。通信の相手方は免許人所属に限られる

選び方の軸は距離手続きの手間の2つです。補助者が数十メートルの範囲に収まり見通しが利くなら、特定小電力トランシーバーで足ります。河川や山間部で補助者が数百メートル先に立つ、建物の陰に入るなら、出力の大きい登録局を検討することになります。登録には手数料と手続きが要るので、年に何回その状況になるかで判断が分かれます。

携帯電話回線を使う業務用無線もあります。回線が届けば距離の制限はほぼありませんが、圏外では使えません。教則が携帯電話に「通話可能範囲を確認しておく」と付記しているのは、この弱点があるからです。

海外通販の無線機は使えない総務省の信越総合通信局は、米国規格のFRSやGMRS、豪州などのUHF-CBといった外国規格の無線機について、「そのほとんどが日本の電波法令に合致していないため、国内では使用できません」と明示しています。小型で安価なため、使えないことを知らずに購入して使用している事例があるとも書かれています。国内で使えるかどうかは、技術基準適合証明のマーク(技適マーク)で確認してください。無資格・無許可での使用は電波法違反として罰則の対象になり、重要な無線通信に妨害を与えた場合はさらに重い罰則が定められています。

離着陸場所の設営 — 距離は数字で決まっている

離着陸の場所づくりで、先に確認すべきは面積ではなく距離です。教則第5版 第6章に、機体の種類ごとの目安があります(一等の学科範囲)。

機体の種類 離着陸地点と操縦者・補助者の距離 周囲の物件との距離
回転翼航空機(マルチローター) 3m以上を保つ。取扱説明書に推奨距離があればその指示に従う 30m以上離せる場所を選定。確保できない場合は補助者の配置などの安全対策
回転翼航空機(ヘリコプター) 20m以上離れることを推奨。取扱説明書に記載があればその指示に従う 30m以上離せる場所を選定。確保できない場合は補助者の配置などの安全対策
飛行機 20m以上離れることを推奨。取扱説明書に記載があればその指示に従う 滑走範囲も考慮して30m以上離せる場所を選定

この表を装備の言葉に翻訳すると、こうなります。離着陸地点と自分の間に3mから20mの空間をつくるということは、その空間を誰にも踏ませないということです。つまり、離着陸地点そのものを囲う道具が要ります。ここでもコーンです。

ランディングパッドは何のために敷くのか

ここは正直に書きます。ランディングパッドの使用は、教則第5版にも標準飛行マニュアルにも要件として書かれていません。「敷かなければならない」という国の基準は、確認した範囲では存在しません。

そのうえで、パッドが解いている問題は説明できます。

  • 離陸時の吹き下ろしで舞い上がる砂塵や小石を抑える。舞い上がった砂は機体の可動部と光学部に入る
  • 草地でプロペラが草を叩くのを防ぐ。着陸時に脚が草に絡むのを防ぐ
  • アスファルトの照り返しを避ける。教則第5版 第6章は、地表面が暖められると上昇気流が発生するとして、広い面積の太陽光パネルやアスファルト・コンクリートを名指ししています
  • 離着陸地点を離れた場所から視認できるようにする。目印がなければ、補助者と「どこが離着陸地点か」を共有できません

最後の1つは立入管理措置とつながっています。離着陸地点が見えていれば、そこに近づかないという判断が周囲にできる。パッドは装備というより表示に近い道具です。

記録用具 — 現場で残さないと、あとから書けない

飛行日誌に書く3つの記録のうち、現場でしか取れないのが飛行記録です。教則第5版 第3章が挙げる記載事項は、飛行の年月日、離着陸場所・時刻、飛行時間、飛行させた者の氏名、不具合及びその対応など。

時刻は、その場で見ないと分かりません。帰ってから思い出して書いた時刻は記録ではありません。現場に要るのは、時計と、書き留める手段です。

紙で管理するなら、用紙・バインダー・ペン・クリップボード。屋外では紙が濡れる、風で飛ぶが日常的に起きるので、留め方まで決めておくと安定します。

もうひとつ、忘れられがちな記録があります。標準飛行マニュアル①は、20時間の飛行毎に点検を実施し、点検・整備記録(様式1)に残すことを定めています。守るには機体ごとの積算飛行時間の管理が要ります。飛行記録に飛行時間を書く作業は、この積算の元データでもあります。

服装と保護具 — 教則が4項目を挙げている

服装は装備の一部です。教則第5版 第2章は「服装に対する注意」として、次の4点を挙げています。

教則が挙げる注意 現場での意味
動きやすいもの 不測の事態では移動が要る。機体を追う、補助者へ寄る、離着陸地点を空ける
素肌(頭部を含む)の露出の少ないもの 回転しているプロペラに触れる事故を想定した記述。夏でも長袖という判断はここから出る
関係者であることが容易にわかるような服装 立入管理措置と直結する。誰が関係者かが分からなければ、区画の内と外の区別が成立しない
必要に応じてヘルメットや保護メガネなどの保護具を準備する 教則は保護具を「準備する」と書いている。持っていない状態はこの記述に沿わない

保護具には、教則第5版 第6章にもう1か所の根拠があります。回転翼航空機(マルチローター)の運航計画の記述で、「プロペラガード等の安全装備がない機体の場合、第三者の立入りを制限できる場所の選定又は補助者の配置を検討する。操縦者も必要に応じて保護具を使用する」とされています。プロペラガードを付けない機体を使うことと、保護具を用意することは同じ話の裏表だという整理です。

気象を測る道具 — 数字で言えないと判断ができない

標準飛行マニュアルは、基本的な体制として「風速5m/s以上の状態では飛行させない」と定めています。遵守事項にも「5m/s以上の突風が発生するなど、無人航空機を安全に飛行させることができなくなるような不測の事態が発生した場合には即時に飛行を中止する」とあります。催し場所の上空では、飛行速度と風速の和が7m/s以上で飛行させない、という条件が加わります。

ここは正直に書きます。「風速計を持ちなさい」と書いた国の基準は確認できませんでした。教則第5版を全文検索しても「風速計」という語は出てきません。ですから「必携」とは書けません。そのうえで、マニュアルに5m/sという数字がある以上、飛ばすか中止かは数字で説明できる必要があります。体感で判断した記録は、あとから根拠になりません。

風速の定義も押さえておくと、数字の読み方が変わります。教則第5版 第6章によれば、単に風速と言えば、観測時の前10分間における平均風速を指します。平均風速の最大値が最大風速、瞬間風速の最大値が最大瞬間風速です。手元の計器が示す瞬間の値と、予報が示す平均の値は、別のものを見ています。

また同章は、高さによる風速の変化は地表の粗度(樹木や建物などによる凸凹の程度)によって異なり、粗度が大きいほど変化は大きくなるとしています。地上で測った値は上空の値ではありません。一等の飛行機の記述では「地上風速だけでなく上空の風速の確認(アプリ等)も重要である」と明記されています。

夜間・目視外を足すと、装備はこう増える

飛行の形態が増えると、標準飛行マニュアル①の該当条項が積み重なります。装備に効く部分だけ抜き出します。

飛行の形態 装備・体制に効く要件
夜間飛行 機体の向きを視認できる灯火を装備した機体を使う。灯火が容易に認識できる範囲内に限定。目視外は実施しない。飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況でのみ実施。離発着場所は車のヘッドライトや撮影用照明機材等で十分な照明を確保
目視外飛行 飛行の前に飛行ルート下に第三者がいないことを確認し、双眼鏡等を有する補助者のもとで実施。操縦者は目視外飛行の訓練を修了した者に限る
人口集中地区・物件から30m未満 プロペラガードを装備する。装備できない場合は、第三者が飛行経路下に入らないよう監視及び注意喚起をする補助者を必ず配置
催し場所の上空 プロペラガードを装備。立入禁止区画を設定し、第三者が立ち入らないよう措置する。主催者等とあらかじめ調整する

夜間の照明は、機体側の灯火だけでは足りません。マニュアルが求めているのは離発着場所の照明で、車のヘッドライトや撮影用照明機材が例に挙がっています。夜間に飛ばすなら、離着陸地点を照らす手段が装備に加わります。

双眼鏡は「目視」の代わりにならない教則第5版 第3章は、「目視により常時監視」とは飛行させる者が自分の目で見ることを指し、双眼鏡やモニターによる監視や補助者による監視は含まないと明記しています(眼鏡やコンタクトレンズの使用は目視に含まれます)。双眼鏡は目視外飛行における補助者の道具であって、双眼鏡を持てば目視内飛行になる、という話ではありません。
エンジン機の燃料教則第5版 第5章は、ガソリンは危険物に該当するため、乗用車等で運搬する場合には消防法で定められた22リットル以下の専用の容器で運搬しなければならない、と書いています。エンジン駆動は機体の振動が大きいため、ネジ類の緩みを特に注意して点検する必要があるとも記載されています。

現場装備チェックリスト

ここまでを持ち物の形に落とします。Aは法令・教則・マニュアルに根拠がある物、Bは立入管理措置のための物、Cは明文の根拠はないが実務上そろえられている物です。

A. 法令・教則・マニュアルに根拠がある物

品目 根拠
許可書・承認書(原本または写し) 教則第5版 第2章。特定飛行で携行が義務
技能証明書 教則第5版 第2章。技能証明を受けている場合
飛行日誌(飛行記録・日常点検記録・点検整備記録) 教則第5版 第3章。特定飛行で携行と記載が義務。紙・電子は問わない
関係機関と連絡がとれる手段(携帯電話等) 教則第5版 第2章。通話可能範囲を事前に確認
補助者との常時連絡手段(無線機等) 教則第5版 第5章・第6章。技適マークのある機器に限る
関係者と分かる服装・動きやすい服装・露出の少ない服装 教則第5版 第2章
ヘルメット・保護メガネ等の保護具 教則第5版 第2章「必要に応じて準備する」、第6章
プロペラガード 標準飛行マニュアル。人口集中地区・30m未満・催し場所で要求
双眼鏡(補助者用) 標準飛行マニュアル。目視外飛行の体制
離発着場所の照明 標準飛行マニュアル。夜間飛行の体制
灯火を装備した機体 標準飛行マニュアル。夜間飛行の体制
22リットル以下の専用容器(エンジン機の燃料) 教則第5版 第5章。消防法

B. 立入管理措置のための物

品目 役割と選ぶときの目安
看板・立看板 上空を無人航空機が飛行すること、関係者以外は立入禁止であること、問い合わせ先の3点を示せるもの
コーン 区画の範囲を明示する。数は面積ではなく、人が入ってくる経路の数から決める
コーンバー・トラロープ等 コーンとコーンの間を線でつなぎ、境界を連続させる
補助者用のベスト・腕章 関係者であることを外から分かるようにする(教則第5版 第2章の服装の3点目)
周知用の掲示・配布物 問い合わせ先を明示した上で第三者に周知する(教則第5版 第6章)

C. 明文の根拠はないが、実務上そろえられている物

品目 解いている問題
ランディングパッド 砂塵・草・照り返しの回避と、離着陸地点の可視化
風速計 飛ばすか中止かを数字で説明できるようにする
時計・筆記具・クリップボード 離着陸時刻をその場で残す。紙が飛ぶ・濡れるのを防ぐ
予備プロペラ・工具 点検で損傷が見つかったときに、その場で交換する
不燃性のバッテリーケース 教則第5版 第4章は、保管について不燃性のケースを求めている。運搬時も同じ考え方が使える
端末の予備電源 電子の飛行日誌・地図・予報を、電池切れで失わない
救急用品 事故時は負傷者の救護が義務(教則第5版 第5章)。何を備えるかの基準は法令にない
Cの扱いについてこの区分の物は法令が求めているわけではなく、持っていないことが違反になるものでもありません。飛行前の確認や事故時の措置という義務を実際に果たすために、多くの現場でそろえられている物です。

よくある誤解の整理

よくある思い込み 実際
看板やコーンは任意の心遣い 教則が立入管理措置の例として名指ししている道具。区画の範囲を明示する標識の設置等が措置の内容
レベル3.5なら看板は要らない 補助者の配置や看板の設置等を機上カメラでの確認に代替するもので、立入管理措置そのものが不要になるわけではない
双眼鏡を持てば目視内で飛ばせる 双眼鏡による監視は「目視」に含まれない。眼鏡やコンタクトレンズは含まれる
飛行日誌は紙でなければならない 紙でも電子データでもよい。速やかに参照や提示ができることが条件
出力が小さい無線機なら海外製でも問題ない 外国規格の無線機は日本の電波法令に合致していないものがほとんどで、国内では使用できない。技適マークで確認する
高く上げたほうが第三者から離れるので安全 催し場所の上空では、高度を上げるほど設定すべき立入禁止区画が広がる
ランディングパッドは法令上の必須装備 教則にも標準飛行マニュアルにも要件としての記載は確認できない

まとめ

現場装備の考え方を、5点に整理します。

1. 装備は飛行の形態から決まる。特定飛行の区分が決まると該当条項が決まり、必要な道具と人が決まります。持ち物リストはその翻訳です。

2. 携行が義務なのは3点。許可書・承認書、技能証明書、飛行日誌。飛行日誌は電子でもよいものの、圏外と電池切れへの備えが要ります。

3. 看板とコーンは法令由来の道具。看板には、上空を飛行すること・関係者以外立入禁止・問い合わせ先の3点を。

4. 無線機は電波法から選ぶ。技適マークのない外国規格の機器は国内で使えません。距離が要るなら登録局を検討します。

5. 根拠のある物と実務上の物は分けて持つ。ランディングパッドや風速計に法令上の根拠は確認できませんでした。それでも使われているのは、義務を果たすための道具だからです。

装備がそろうと、現場でやることは減ります。減った分が、機体と周囲を見る時間になります。

ご注意本記事は、無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版・公布 令和8年7月7日/適用 令和8年7月14日)、国土交通省の標準飛行マニュアル①(場所を特定した申請について適用)及び②(場所を特定しない申請について適用)、総務省 電波利用ポータル(免許及び登録を要しない無線局/特定小電力無線局)、総務省 各総合通信局の公表資料に基づく解説です。法令・制度・各社のルールは変更されることがあります。実際の取り扱いは、お使いの機体のメーカー公式マニュアルと最新の法令、および申請時に提出した飛行マニュアルの記載をご確認ください。
あわせて読みたい

立入管理措置、飛行日誌、目視の定義は、いずれも学科試験で問われる論点です。教則第5版の改正点を問題形式で確認したい方はこちらから。
教則第5版 改正点チェック20問(無料)

装備をそろえたら、次は現場での使い方です。飛行前点検の法令上の位置づけと項目表は、シリーズ第2回にまとめています。
ドローン飛行前点検チェックリスト完全版

装備のうち、いちばん扱いが難しいのがバッテリーです。保管・膨張・寿命の実務はシリーズ第1回で扱っています。
ドローンのバッテリー管理完全ガイド

立入管理措置や補助者の配置は、申請書と飛行マニュアルの記載とセットです。申請手順はこちらから。
DIPS2.0 飛行許可・承認申請ガイド

風速5m/sという数字を現場でどう使うか。飛ばすか中止かの判断は、こちらで深掘りしています。
飛ばすか中止か|ドローンの耐風性能はどこまで信じられるか

登録講習機関講師 フライトデスク 監修

コメント

タイトルとURLをコピーしました