【2026年版】ドローン包括申請の作り方|期間包括・経路包括と標準マニュアル②の選び方

DIPS2.0手続きガイド

ドローンの飛行許可・承認を一度でも取ったことがある方なら、「包括申請」という言葉を必ず耳にしているはずです。

ところが、この言葉は法令の条文には出てきません。

根拠は航空局長が定める「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」です。そこに書かれている中身を正確に押さえないまま申請すると、補正指示が返ってきたり、取れたはずの許可の範囲が思ったより狭かったりします。

この記事では、包括申請の定義から、期間包括と経路包括の違い、標準飛行マニュアル①と②の選び分け、DIPS2.0での具体的な入力手順、そして取得後に必ずやることまでを一本でたどれるようにまとめます。

最初に一番大事なこと包括申請は「日本全国どこでも1年間自由に飛ばせる許可」ではありません。審査要領が定めるのは「同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合、又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請を、包括して行わせることができる」という手続の簡略化にすぎません。期間は原則3か月・最長1年、経路を特定しない申請ができる飛行の種類は限られ、経路を特定しない場合は航空局標準マニュアル02の安全体制にそのまま縛られます。

包括申請とは何か──条文ではなく審査要領の言葉

包括申請の定義は、審査要領(カテゴリーⅡ飛行)の 2-1(3)にあります。

(3)包括申請
同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請は、包括して行わせることができる。

たった2行です。ここから読み取れることは2つあります。

ひとつは、包括申請には「時間をまとめる」型と「場所をまとめる」型の2つがあるということ。もうひとつは、これはあくまで申請の手続をまとめてよいという話であって、飛行の安全基準そのものが緩くなるわけではないということです。

ここを混同すると、「包括を取ったから何をしてもいい」という発想になります。講習を担当していると、包括申請の許可書を持っているのに、飛行のたびに標準マニュアルの風速条件を確認していない方に出会うことがあります。許可書の効力は、その許可の前提として提出したマニュアルを守っていることとセットです。

包括申請・一括申請・代行申請は別物

DIPS2.0の画面や解説記事では、よく似た3つの言葉が並びます。国土交通省の「包括申請のご案内」に沿って整理すると次のとおりです。

名称 まとめる対象 典型例
包括申請 期間、又は場所 1年間・関東地方全域での目視外飛行
一括申請 許可・承認の事項 DID上空+目視外+30m未満を一度に申請
代行申請 申請者(人) クラブ代表者が会員分をまとめて申請

実務では、この3つを同時に使うことがほとんどです。たとえば「会社の代表者が、社員5名分を、DID上空・夜間・目視外・30m未満の4事項について、1年間・日本全国で申請する」という形です。これは代行申請かつ一括申請かつ包括申請にあたります。

代行申請の注意点審査要領は、飛行許可・承認後の飛行の事実確認など、航空局からの問い合わせは代行申請者に対して行うとしています。代表者になるということは、後日の照会にも答える立場になるということです。担当者が代行申請者と異なる場合は、その旨を申請書に明示してください。

期間包括──原則3か月、最長1年

審査要領 3-3 は、許可等の期間について次のように定めています。

一回の許可等の期間は、原則として3ヶ月以内とする。ただし、申請内容に変更を生ずることなく、継続的に無人航空機を飛行させることが明らかな場合には、1年を限度として許可等を行うものとする。

つまり、1年の許可は自動的にもらえるものではなく、「申請内容に変更を生ずることなく、継続的に飛行させることが明らか」という条件付きです。申請書の飛行の目的や理由の欄で、その継続性が読み取れるように書く必要があります。

「空撮のため」だけでは、継続的な飛行なのか単発なのかが分かりません。「不動産物件の外観撮影業務として、月に2〜4回程度、継続的に実施する」といった書き方であれば、反復・継続の実態が伝わります。

1年が取れない飛行がある

審査要領 2-2-1(3)b)には、期間及び時間帯を記載する場合の但し書きとして、5-2(人又は家屋の密集している地域の上空)、5-3(夜間飛行)及び5-4(目視外飛行)に掲げる飛行を同時に行う場合を除くとあります。

また、5-1に掲げる緊急用務空域を飛行させる場合は、真に必要な日時又は期間及び時間帯に限り許可を行うものとされています。緊急用務空域については、そもそも包括的な期間設定という発想になじみません。

ご注意DIDと夜間と目視外が重なる飛行は、審査要領上そもそも経路を特定しない申請ができません(次章)。期間の上限だけを見て「1年で出しておこう」と考えると、経路の要件で引っかかります。期間と経路はセットで検討してください。

経路包括──経路を特定しない申請ができない飛行

「包括申請=日本全国」というイメージが強いのは、経路を特定しない申請ができるからです。審査要領 2-2-1(3)c)は、飛行の経路が特定されない場合には飛行が想定される範囲を記載すること、としています。DIPS2.0では、日本全国あるいは都道府県単位で範囲を選ぶ形になります。

ただし、国土交通省の「包括申請のご案内」は、経路を特定しない申請ができない飛行を明示しています。ここは暗記しておく価値があります。

区分 該当する飛行
経路を特定する必要がある 空港等周辺における飛行
経路を特定する必要がある 地表または水面から150m以上の高さの空域における飛行
経路を特定する必要がある 人又は家屋の密集している地域の上空における夜間飛行
経路を特定する必要がある 夜間における目視外飛行
経路を特定する必要がある 補助者を配置しない目視外飛行
経路を特定する必要がある 趣味目的での飛行
経路を特定する必要がある 研究開発目的での飛行
経路と日時の両方を特定する必要がある 人又は家屋の密集している地域の上空で夜間における目視外飛行
経路と日時の両方を特定する必要がある 催し場所の上空における飛行

この一覧で見落とされやすいのが「趣味目的での飛行」です。業務なら日本全国の包括が取れるのに、趣味なら経路を特定しなければならない。理由は、業務であれば飛行場所の管理者との調整や現場確認の体制が組織として担保されやすいのに対し、趣味目的の飛行はそうした前提が置きにくいためと理解されています。

もうひとつが「補助者を配置しない目視外飛行」です。いわゆるレベル3飛行、レベル3.5飛行はここに入ります。包括で取った目視外飛行の承認をもっていても、補助者なしで飛ばすなら別に場所を特定した申請が必要です。

催し場所上空は必ず個別国土交通省のページには「包括申請を含む各飛行方法の承認等を既に取得していた場合も、個別に申請手続きが必要です」と明記されています。イベント会場の上空を飛ばすなら、包括申請を持っていても、その都度、経路と日時を特定した申請が必要です。ここを勘違いした事例は少なくありません。

経路を特定する飛行でも「まとめる」ことはできる

誤解されやすいのですが、経路を特定する必要がある飛行だからといって、1件ずつ申請しなければならないわけではありません。「包括申請のご案内」には次のようにあります。

【飛行の経路を特定する必要がある飛行】において、同一期間内に異なる複数の場所で飛行を行う場合は、纏めて申請いただくことが可能です。(地図は1申請につき、5つまで作成が可能です)

これが「場所をまとめる」型の包括申請です。たとえば150m以上の高さの空域での飛行を、神奈川県相模原市と平塚市の2か所で予定しているなら、地図を2枚添付して1件の申請にまとめられます。地図は1申請につき5つまでという上限があるので、6か所以上なら申請を分けることになります。


標準飛行マニュアル①と②──どちらを選ぶかで結論が変わる

飛行許可・承認申請では、安全確保の体制を示す飛行マニュアルを添付します。自作でもよいのですが、航空局が用意した「航空局標準マニュアル」を使えば、団体名及び名称を記載することで添付に代えることができます。

現行版は令和7年12月26日版です。標準マニュアルには番号があり、包括申請で関係するのは主に次の2つです。

マニュアル 対象 経路の特定
航空局標準マニュアル01 飛行場所を特定した申請 特定する
航空局標準マニュアル02 飛行場所を特定しない申請(DID上空、夜間、目視外、30m未満、危険物輸送、物件投下のみ) 特定しない

重要なのは、01と02を併用した申請は行えないという点です。国土交通省のページに明記されています。「場所を特定する飛行と特定しない飛行を1件の申請に混ぜて、マニュアルを2本添付する」ことはできません。

したがって、経路を特定しない包括申請をしたいなら、選ぶのは標準マニュアル02です。そして02を選んだ瞬間に、02に書かれた安全体制がすべて自分の守るべきルールになります。

標準マニュアル02で縛られる主な条件

02の「3.安全を確保するために必要な体制」から、実務で効いてくるものを抜き出します。ここは原文の趣旨を変えずに列挙します。

  • 風速5m/s以上の状態では飛行させない(取扱説明書等で5m/s以上でも飛行可能と確認している場合はその条件による)
  • 雨の場合や雨になりそうな場合は飛行させない(取扱説明書等で確認している場合を除く)
  • 十分な視程が確保できない雲や霧の中では飛行させない
  • 高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近では飛行させない
  • 高圧線、変電所、電波塔、無線施設などの施設上空及び付近では飛行させない(点検等の業務で必要な場合は範囲を限定するなどの条件付き)
  • 第三者の往来が多い場所や学校、病院、神社仏閣、観光施設などの不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近は飛行させない
  • 人又は家屋が密集している地域の上空では夜間飛行は行わない
  • 人又は家屋が密集している地域の上空では目視外飛行は行わない(業務上やむを得ない場合は補助者の配置を必須とするなどの条件付き)
  • 夜間の目視外飛行は行わない

「日本全国・1年間の包括を取ったのに、実際には飛ばせる場所がほとんどない」と感じる方がいるのは、この一覧が理由です。包括申請の許可は空域と方法についての許可であって、標準マニュアル02が禁じている場所や条件が解除されるわけではありません。

自作マニュアルという選択肢標準マニュアル02の条件が業務の実態に合わない場合は、飛行マニュアルを自作して申請することもできます。ただし自作マニュアルは審査要領 4-3-2 が求める項目(点検・整備の方法と記録、操縦者の訓練と飛行記録、飛行前の安全確認、安全管理体制、立入管理区画の設定方法、緊急時の連絡体制など)をすべて満たす必要があり、審査にも時間がかかります。まず02で運用し、合わないところが具体的に見えてから自作に移るほうが失敗が少ないと感じています。

審査要領が求める要件を、申請前に自分で確認する

2025年12月18日の審査要領改正で、「ホームページ掲載無人航空機」と「ホームページ掲載講習団体等が行う技能認証」による申請手続の一部省略の運用が廃止されました。これにより、申請者が自分で基準への適合を示す場面が増えています。

機体について(審査要領 4-1)

すべての無人航空機に共通して求められるのは次の4点です。

  1. 鋭利な突起物のない構造であること(構造上、必要なものを除く)
  2. 無人航空機の位置及び向きが正確に視認できる灯火又は表示等を有していること
  3. 飛行させる者が燃料又はバッテリーの状態を確認できること
  4. 遠隔操作機・自動操縦機それぞれについて、安定した離着陸・飛行、緊急停止、操作介入などの基準に適合すること

これらは「無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書」(様式2)で示します。機体認証又は型式認証を受けた機体で、申請時に認証書番号を記載したものは、様式2の添付や一部記載を省略できます。この場合、申請する飛行形態が使用条件等指定書又は無人航空機飛行規程の範囲内であることを確認してください。

操縦者について(審査要領 4-2)

技能証明を保有していない場合は、次の基準に適合する必要があります。

  • 飛行を予定している無人航空機の種類(飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船のいずれか)別に、10時間以上の飛行経歴を有すること
  • 航空法関係法令、飛行ルール、気象、安全機能、日常点検項目、安全体制、飛行形態に応じた追加基準についての知識を有すること
  • 飛行前の安全確認ができること。遠隔操作機の場合はGPS等による位置の安定機能を使用せずに、離着陸、上昇、ホバリング、機首90°回転、前後移動、水平方向の飛行、下降が安定してできること

これらは「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」(様式3)で示します。技能証明を保有している場合は、技能証明書番号・区分・限定事項を記載することで様式3の添付と確認事項の記載を省略できます。この場合、申請する飛行の形態が区分及び限定事項の範囲内であることを確認してください。

GPSを切って飛ばせるか10時間の飛行経歴と並んで見落とされるのが、GPS等の位置の安定機能を使わない状態での操縦能力です。審査要領 4-2(3)b)が明確に求めています。技能証明がない方が包括申請を出すなら、ここは避けて通れません。

体制について(審査要領 4-3-1)

19項目が列挙されています。全部を暗記する必要はありませんが、包括申請で特に効いてくるものを挙げます。

  • 原則として第三者の上空で飛行させないこと
  • 取扱説明書等に記載された風速以上の突風が発生するなど、安全に飛行させることができなくなるような不測の事態が発生した場合には即時に飛行を中止すること
  • 特定飛行を行う場合は、飛行日誌の取扱要領に従い、定期的に点検・整備を行い記録を作成すること
  • 特定飛行を行う場合は、飛行の都度、飛行の実績を記録すること
  • 特定飛行を行う場合は、あらかじめDIPS2.0の飛行計画通報機能を用いて飛行計画を通報し、飛行経路に係る他の無人航空機の飛行計画の情報を確認すること
  • 飛行の際には、許可書又は承認書の原本又は写しを携行すること
  • 総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合には、第三者賠償責任保険に加入していること
25kg以上は保険が必須令和7年10月1日以降に新たに飛行許可・承認を申請する場合、総重量25kg以上の無人航空機については、第三者賠償責任保険の記載が必須です。また、レベル3.5飛行として移動中の車両、列車又は船舶の上空を通過する飛行を行う場合も、十分な補償が可能な第三者賠償責任保険への加入が求められます。

DIPS2.0での包括申請の作り方

ここからは実際の手順です。DIPS2.0の飛行許可・承認申請機能を使います。国土交通省の操作マニュアル(飛行許可・承認申請編)と合わせて進めてください。

手順1 前提を揃える

申請の前に、次の3つが済んでいる必要があります。

  1. DIPS2.0のアカウントを開設していること。法人として申請するなら、必ず「企業・団体」を選んでアカウントを開設します。「個人」のアカウントでは企業名等の入力ができません
  2. 飛行させる機体の登録が完了し、登録記号の発行を受けていること(試験飛行の場合は届出番号)
  3. 機体情報と操縦者情報をDIPS2.0に登録してあること

手順2 申請の時期を決める

審査には一定の期間を要します。国土交通省は、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日以上前(土日・祝日を除く)に提出すること、不備があった場合の追加確認を見込んで飛行開始予定日から3〜4週間程度の余裕をもって申請することを求めています。

1年間の包括申請を毎年更新している方は、期限の40開庁日前から10開庁日前までの間に更新申請を行います。この期間は審査要領 2-1(5)で定められており、通常の新規申請とは異なります。

手順3 申請先を間違えない

申請先の誤りによる補正指示が頻発している、と国土交通省が名指しで注意喚起しています。

飛行させる空域や地域 申請の宛先
空港等周辺、緊急用務空域、地上又は水上から150m以上の高さの空域 東京空港事務所長又は関西空港事務所長
上記以外(DID上空、夜間、目視外、30m未満、催し場所上空、危険物輸送、物件投下) 東京航空局長又は大阪航空局長

経路を特定しない包括申請で扱えるのは表の下段だけなので、宛先は東京航空局長又は大阪航空局長になります。飛行場所を管轄する側を選び、双方にまたがる場合は申請者の住所を管轄する地方航空局長宛てです。日本全国で申請する場合は後者の考え方になります。

手順4 飛行の目的を選ぶ

審査要領には目的の一覧が示されています。空撮、報道取材、警備、農林水産業、測量、環境調査、設備メンテナンス、インフラ点検・保守、資材管理、輸送・宅配、自然観測、事故・災害対応等、趣味、研究開発、その他です。

ここで「趣味」または「研究開発」を選ぶと、経路を特定しない申請ができなくなります。業務での飛行と趣味での飛行の両方をしたいなら、申請を分ける必要があります。

手順5 飛行の日時を入力する

包括申請では、単発の日時ではなく期間と時間帯を入力します。原則3か月以内、継続性が明らかなら1年を限度に設定できます。開始日は、審査期間を見込んで余裕をもった日付にしてください。

手順6 飛行経路を「特定しない」で入力する

経路包括にする場合は、特定の場所・経路で飛行しないことを選び、飛行が想定される範囲を記載します。日本全国、あるいは都道府県単位での指定になります。

審査要領は、5-1に掲げる飛行を行う場合、5-2(DID上空)及び5-3(夜間飛行)に掲げる飛行を同時に行う場合並びに趣味目的の場合は、当該範囲を可能な限り限定して記載するとともに地図を添付することを求めています。範囲のうち特定の場所や条件でのみ飛行させる場合は、その場所や条件も記載します。

DIDの扱いで補正を減らす令和8年6月30日の告示により、都市計画法第8条第1項第1号の工業専用地域内の区域が「人又は家屋の密集している地域」から除かれました。DIDを含む経路図を添付するが、人又は家屋の密集している地域の飛行許可は申請しないという場合は、地図上又は備考欄に「経路上のDIDは、工業専用地域であることを確認済み。」等と記載するよう国土交通省が案内しています。

手順7 機体と操縦者を紐づける

登録済みの機体と操縦者を選択します。複数の機体を飛行させる場合は、すべての機体について記載又は添付が必要です。技能証明を保有している操縦者は、技能証明書番号・区分・限定事項を記載することで様式3の添付を省略できます。

総重量25kg未満の機体では、様式2に加えて、飛行形態に応じた追加基準への適合状況を申請者の責任で自ら確認した結果を記載した資料を添付します。25kg以上の機体では、これに加えて審査要領 4-1-2 の基準(想定条件下での安定飛行、通信の非干渉、部品飛散防止構造、飛行諸元の記録機能、フェールセーフ機能)への適合も示します。

手順8 飛行マニュアルを選ぶ

経路を特定しない申請なら航空局標準マニュアル02を選択します。標準マニュアルを使う場合は、運航者名の欄に自分の団体名及び名称を記載します。01との併用はできません。

手順9 保険と参考事項を書いて提出する

第三者賠償責任保険の加入状況(加入状況、保険会社名、商品名、補償金額)を記載します。未加入の場合は、参考として賠償能力の有無等の情報を記載します。25kg以上の機体では記載が必須です。

提出後は補正のやり取りもDIPS2.0上で行えます。電子許可書を選んでおけば、発行が完了しだいダウンロードでき、飛行の際の携行も電子データで足ります。なお、飛行許可・承認申請そのものに国への手数料はかかりません。


2025年12月の審査要領改正で変わったこと

令和7年12月18日施行の改正は、包括申請を毎年更新している方に直接影響します。

従来は、国土交通省のホームページに掲載された機体(いわゆるHP掲載機)を使う場合や、ホームページ掲載講習団体等が行う技能認証(民間資格)を持っている場合に、申請手続の一部を省略できました。この運用が廃止されました。

更新申請ができなくなるケース国土交通省は「12月18日以前に許可・承認を取得していた申請のうち、ホームページ掲載無人航空機及び民間技能認証が含まれていた過去の申請については、次回申請の際に『複製』『変更申請』『更新申請』等が行えません」と案内しています。該当する方は、最初の申請において新規申請を行う必要があります。前回の申請を複製して済ませるつもりでいると、期限直前で作り直しになります。

改正後は、機体認証・型式認証と無人航空機操縦者技能証明の有無が、手続簡略化の分かれ目になります。どちらも持っていない場合は、様式2・様式3を自分で作成し、追加基準への適合も自分で示すことになります。

登録講習機関で技能証明の講習を担当していると、「包括申請を楽にしたいから資格を取りたい」という動機の方が確実に増えています。実際、技能証明があれば様式3の添付と飛行経歴・知識・能力の記載を省略でき、飛行マニュアルに記載した訓練の一部も省略できます。ただし、申請する飛行の形態が技能証明の区分及び限定事項の範囲内であることが前提です。夜間飛行や目視外飛行を含む包括申請で省略の恩恵を受けたいなら、対応する限定変更が必要になります。


よくある誤解の整理

よくある誤解 実際
包括申請を取れば日本全国どこでも飛ばせる 許可されるのは空域と飛行の方法。標準マニュアル02が禁じる場所・条件は解除されない。小型無人機等飛行禁止法や条例も別途かかる
包括申請は必ず1年間で取れる 原則3か月以内。継続性が明らかな場合に限り1年を限度とする
包括申請を持っていればイベント上空も飛ばせる 催し場所上空は経路と日時を特定した個別の申請が必要。包括申請を持っていても同じ
趣味の空撮でも日本全国の包括が取れる 趣味目的は経路を特定する必要がある
包括申請があればレベル3飛行もできる 補助者を配置しない目視外飛行は経路を特定する必要がある。別途申請
許可を取ったので飛行計画の通報は不要 特定飛行は許可の有無にかかわらず、飛行前にDIPS2.0で飛行計画の通報が必要
標準マニュアル01と02を両方添付すればよい 併用した申請は行えない
期限が切れそうなので前回分を複製して出す HP掲載機・民間技能認証が含まれていた過去の申請は複製・変更・更新ができない

包括申請を取ったあとに必ずやること

許可書が届いて終わりではありません。審査要領 4-3-1 と標準マニュアル02は、飛行のたびに次のことを求めています。

  • 飛行前に、飛行させる場所が緊急用務空域に指定されていないことを確認する
  • DIPS2.0の飛行計画通報機能で、あらかじめ飛行計画を通報する
  • 同じ機能で、飛行経路に係る他の無人航空機の飛行計画の情報を確認する
  • 飛行前・飛行後の点検を行い、点検・整備記録を作成する(20時間の飛行毎の点検も)
  • 飛行の都度、飛行記録を作成する
  • 許可書又は承認書の原本又は写し(電子データ可)を携行する
  • 事故や重大インシデントが発生した場合は、DIPS2.0の事故等報告機能で速やかに報告する

包括申請は「毎回の申請」を減らす制度であって、「毎回の準備」を減らす制度ではありません。むしろ、飛行のたびに自分で条件を判断する場面が増えます。許可書のPDFと一緒に、選んだ標準マニュアルのPDFも手元に置いておくことをお勧めします。

飛行計画の通報を忘れない飛行計画の通報は、包括申請の有無と関係なく特定飛行に課される義務です。包括申請で年間の許可を取ると、申請作業から解放された感覚になり、通報を飛ばしてしまう方がいます。許可は「飛べる資格」、通報は「今から飛ぶという届出」で、役割がまったく違います。

まとめ

包括申請の要点を、もう一度短く整理します。

  • 包括申請の根拠は審査要領 2-1(3)。「期間をまとめる」型と「場所をまとめる」型がある
  • 期間は原則3か月以内。継続性が明らかな場合に限り1年が限度
  • 経路を特定しない申請ができない飛行が7種類、経路と日時の両方を特定する必要がある飛行が2種類ある
  • 経路を特定しない申請では航空局標準マニュアル02を使う。01との併用はできない
  • 02には風速5m/s、高速道路・鉄道の上空、DID上空の夜間・目視外など具体的な制限が並ぶ
  • 2025年12月18日の改正でHP掲載機・民間技能認証の省略運用が廃止された。該当する過去の申請は複製・変更・更新ができない
  • 許可取得後も、飛行計画の通報、飛行日誌の作成、許可書の携行は毎回必要

包括申請は、正しく理解して使えば業務の負担を大きく減らせる仕組みです。一方で、「全部OKになる魔法の許可」と受け取ると、いちばん危ない使い方になります。取得後に自分が何に縛られているのかを、標準マニュアルの本文で一度読み通しておいてください。

ご注意本記事は、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行、令和7年12月12日最終改正)、国土交通省航空局標準マニュアル02(令和7年12月26日版)、国土交通省「包括申請のご案内」及び「無人航空機の飛行許可・承認手続」ページ(2026年8月時点)に基づく解説です。制度は改正されることがあります。手続きの前に必ず国土交通省およびDIPS2.0の最新情報をご確認ください。
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包括申請の前提になる飛行許可・承認の全体像は、DIPS2.0 飛行許可・承認申請ガイドで通してたどれます。まだアカウントがない方はDIPS2.0 アカウント開設から。

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自分の飛行がどのカテゴリーに当たるかを整理したい方は飛行カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲを、補助者を配置しない目視外飛行を検討している方はレベル3.5飛行ガイドを先に読むと判断が早くなります。

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登録講習機関講師 フライトデスク 監修

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飛行の許可・承認の仕組みは、教則3.1「航空法全般」の範囲です(「包括申請」という語そのものは教則には出てきません)。まず無料分で今の実力を測り、足りない科目を本編で埋めるのが最短です。いずれも全問解説つき・買い切りです。

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