2022年12月に国家資格が始まりました。
技能証明の有効期間は3年です。
つまり2026年は、最初に取得した方々が次々と更新期を迎える年です。
ところが更新には、期限が4つあります。しかも締め切りは満了日ではありません。
この記事では、いつ何をすればいいのかを逆算で整理します。
逆算カレンダー:4つの期限
自分の技能証明書に書かれた有効期間満了日を起点に、逆算してください。
| 時期 | できること・すべきこと |
|---|---|
| 満了9か月前 | 更新講習の受講が可能になる |
| 満了6か月前 | 更新申請が可能になる |
| (講習修了から3か月) | 更新講習修了証明書の有効期限。3か月以内に申請しないと失効 |
| 満了1か月前 | 更新申請の締め切り |
| 満了日 | この日を過ぎると特定飛行ができなくなる |
なぜ9か月前から講習を受けられるのか。
更新申請ができるのが6か月前から。そして講習修了証明書は申請日以前3か月以内のものが有効です。
6か月+3か月で、9か月前から逆算が始まります。
2026年7月に更新期を迎える方の例
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年7月31日 | 有効期間満了日(例) |
| 2025年10月31日〜 | 更新講習の受講が可能 |
| 2026年1月31日〜 | 更新申請が可能 |
| 2026年6月30日 | 更新申請の締め切り |
この例だと、7月に入ってから慌ててもすでに手遅れです。
更新に必要なものは2つだけ
航空法第132条の51第3項に定められています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 身体適性 | 身体適性に関する基準を満たすこと |
| ② 更新講習 | 登録更新講習機関の無人航空機更新講習を修了すること |
試験はありません。更新講習に修了審査はなく、合否判定も行われません。
ここは新規取得時と大きく違うところです。
身体適性は運転免許証で代えられる
ここは知らない方が多い部分です。
例外は次の場合です。
- 一等で25kg以上の限定変更を受けている方
- 運転免許証をお持ちでない方
この場合は医療機関で身体適性検査を受け、証明書を取得します。
提出できる書類は次のいずれかです。
- 身体適性検査証明書
- 身体検査合格証明書
- 航空身体検査証明書
- 運転免許証
更新講習は何をやるのか
「1日がかりで実技をやり直すのでは」と身構える方がいますが、違います。
通常の更新は学科講習のみです。実技はありません。
| 区分 | 合計時間 | 内訳 |
|---|---|---|
| 一等 | 75分 | 教本を用いた講習45分+視聴覚教材30分 |
| 二等 | 50分 | 教本を用いた講習30分+視聴覚教材20分 |
科目と時間配分
| 科目 | 一等 | 二等 |
|---|---|---|
| 技能証明制度の概要 | 2分 | 2分 |
| 操縦者が遵守すべき事項 | 3分 | 3分 |
| 事故・重大インシデント事例及び教訓 | 10分 | 10分 |
| 最近の無人航空機関連の制度改正 | 5分 | 5分 |
| 運航ルール・事故防止に関する情報 | 10分 | 10分 |
| 一等が留意すべき事項 | 15分 | — |
| (視聴覚)事故・重大インシデント事例 | 20分 | 20分 |
| (視聴覚)一等が留意すべき事項 | 10分 | — |
時間配分の詳細は各機関の裁量ですが、合計時間と科目は告示で決まっています。
オンラインでも受けられる
学科講習はオンライン講習・eラーニングが認められています。
ただし条件があります。
- 本人が受講していること、受講状況が確認できること
- 受講後に対面で「修了演習」を行うこと
修了演習は合否を判定するものではありません。講師と一緒に演習して理解度を確認し、助言を受ける場です。
実技があるのは停止処分を受けた方だけ
更新講習に実地講習が加わるのは、限られた場合です。
航空法第132条の53の第3号・第4号・第5号による技能証明の効力停止を受けた方が対象です。
- 第3号:アルコール・麻薬等の中毒者
- 第4号:航空法や命令の規定に違反したとき
- 第5号:飛行させるにあたり非行または重大な過失があったとき
この場合、学科に科目が追加され、さらに実地講習が入ります。
| 区分 | 通常 | 停止処分を受けた方(マルチ) |
|---|---|---|
| 一等 | 75分 | 120分 |
| 二等 | 50分 | 91分 |
なお、病気(第1号)や身体障害(第2号)による停止の場合は通常の学科講習のみです。
実地講習はシミュレーターでの実施が認められています。試験ではないので、指示どおり飛べなければ講師の指導のもとやり直します。
手続きの流れ
DIPS2.0を使います。順番は次のとおりです。
| 順 | やること | 場所 |
|---|---|---|
| 0 | 更新時期のリマインドメールが届く | — |
| 1 | 技能証明申請者番号の属性情報変更申請 | DIPS |
| 2 | 属性情報変更の完了メールを受領 | — |
| 3 | 更新講習の受講手続き・受講 | 登録更新講習機関 |
| 4 | 更新講習修了証明書を取得 | 登録更新講習機関 |
| 5 | (必要な方のみ)身体適性検査を受検 | 医師・医療機関 |
| 6 | 技能証明の更新申請+手数料納付 | DIPS |
| 7 | 審査完了メールを受信 | — |
| 8 | 更新後の技能証明書を受け取る | 郵送 |
新しい証明書が届く前に飛べるのか
実務でいちばん質問が多い部分です。
特定飛行では技能証明書の携帯義務があります(航空法第132条の54)。
しかし更新手続きが完了しても、新しい証明書が郵送されるまでには時間がかかります。
条件は、DIPSから届く更新手続完了メールを、すぐ提示できる状態で一緒に携帯することです。
スマートフォンに保存しておくか、印刷して機体ケースに入れておくとよいでしょう。
新しい証明書が届いたら、旧証明書は速やかに返納してください。
2026年7月の改正で申請期間が変わりました
ここは古い情報が残りやすい部分です。
| 従来 | 現在 | |
|---|---|---|
| 更新申請ができる期間 | 有効期間が満了する日以前6月以内 | 有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間 |
教則第5版(2026年7月14日から学科試験に適用)にこの形で記載されています。
従来は「6か月以内ならいつでも」でした。
いまは始まり(6月前)と終わり(1月前)の両方が決まっています。
教則第5版の変更点は別記事にまとめています。
更新を忘れたらどうなるか
有効期間が切れると、その技能証明では特定飛行ができなくなります。
資格が消えるわけではありませんが、失効した状態では技能証明を前提とした飛行はできません。
ここで効いてくるのが、冒頭に書いた「締め切りは1か月前」という点です。
満了日をゴールだと思っていると、1か月分まるごと勘違いすることになります。
1.技能証明書を出して有効期間満了日を見る
2.そこから1か月引く。それが申請の締め切り
3.さらに3か月引く。それより後に講習を受ける
4.カレンダーやスマホに登録する
よくある誤解の整理
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 更新にも試験がある | ない。更新講習に修了審査はなく合否判定もしない |
| 実技をやり直す | 通常は学科のみ。実地は停止処分を受けた方のみ |
| 病院で検査が必要 | 多くの方は運転免許証で代替可能 |
| 満了日まで申請できる | 1か月前が締め切り |
| 早めに講習を受けておけば安心 | 修了証明書は3か月で失効。早すぎると受け直し |
| 新証明書が届くまで飛べない | 手続完了メール+旧証明書の携帯で飛べる |
まとめ
更新そのものは難しくありません。学科50〜75分と、書類の準備だけです。
難しいのは期限の管理です。
9か月前・6か月前・3か月・1か月前。この4つが絡むので、思っているより早く動く必要があります。
登録更新講習機関で講習を担当していると、満了日の直前になって慌てて連絡をくださる方がいます。1か月前を過ぎていると、こちらでは何もできません。
技能証明書を手に取って、いま満了日を確認してみてください。
更新講習には「最近の無人航空機関連の制度改正」という科目があります。2026年7月14日から教則は第5版です。
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登録講習機関講師 フライトデスク 監修



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