ドローンの学科試験を受けたとき、その試験を実施していたのは国ではありません。機体認証の検査をしているのも、国土交通省の職員とは限りません。
試験は指定試験機関が、検査は登録検査機関が行っています。どちらも民間です。では、誰でもなれるのでしょうか。
今回はこの連載の最後として、登録検査機関(第132条の24〜第132条の39)と指定試験機関(第132条の56〜第132条の68)を全文で読みます。
読んでいて、私がいちばん「よく考えられている」と思ったのは登録検査機関の要件でした。メーカーに支配されている会社は、登録検査機関になれません。その書き方が、かなり具体的です。
- 3つの機関を並べてみます
- 航空法 第132条の24〜第132条の39(登録検査機関・全文)
- 第百三十二条の二十四 (登録検査機関による無人航空機検査事務の実施)
- 第百三十二条の二十五 (登録)
- 第百三十二条の二十六 (登録の要件等)
- 第百三十二条の二十七 (登録の更新)
- 第百三十二条の二十八 (検査の義務)
- 第百三十二条の二十九 (登録事項の変更の届出)
- 第百三十二条の三十 (無人航空機検査事務規程)
- 第百三十二条の三十一 (無人航空機検査事務の休廃止)
- 第百三十二条の三十二 (財務諸表等の備付け及び閲覧等)
- 第百三十二条の三十三 (秘密保持義務等)
- 第百三十二条の三十四 (適合命令)
- 第百三十二条の三十五 (改善命令)
- 第百三十二条の三十六 (登録の取消し等)
- 第百三十二条の三十七 (帳簿の記載)
- 第百三十二条の三十八 (国土交通大臣による無人航空機検査事務の実施等)
- 第百三十二条の三十九 (公示)
- 航空法 第132条の56〜第132条の68(指定試験機関・全文)
- ここからは私の解説です
- この連載で読んだもの
- 出典
- 連載「ドローンの航空法をやさしく読む」(全7回)
3つの機関を並べてみます
この連載で出てきた機関は3つです。名前と期間を整理しておきます。
| 機関 | 何をするか | 有効期間 |
|---|---|---|
| 登録検査機関 | 機体認証・型式認証の検査 | 3年(施行令第11条) |
| 指定試験機関 | 技能証明の試験 | 5年(施行令第12条) |
| 登録講習機関 | 技能証明のための講習 | 3年(施行令第13条) |
期間は3つとも政令(航空法施行令)で決まっています。該当する2条は短いので、こちらも全文を載せます。
第十一条 (登録検査機関の登録の有効期間)
法第百三十二条の二十七第一項の政令で定める期間は、三年とする。
第十二条 (指定試験機関の指定の有効期間)
法第百三十二条の五十九第一項の政令で定める期間は、五年とする。
そして試験だけが「指定」で、あとの2つは「登録」です。この言葉の違いには意味があります。あとで触れます。
航空法 第132条の24〜第132条の39(登録検査機関・全文)
機体認証の検査を担う機関の条文です。
第百三十二条の二十四 (登録検査機関による無人航空機検査事務の実施)
国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、その登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)に、機体認証及び型式認証等に関する国土交通大臣の事務のうち、無人航空機が安全基準に適合するかどうかの検査及び型式認証等を受けようとする型式の無人航空機が均一性基準に適合するかどうかの検査(以下「無人航空機検査」という。)の実施に関する事務(以下「無人航空機検査事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
第百三十二条の二十五 (登録)
前条の登録は、無人航空機検査事務を行おうとする者の申請により行う。
第百三十二条の二十六 (登録の要件等)
国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者(以下「登録申請者」という。)が次の各号に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。 この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
- 一無人航空機検査事務を実施する者が、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学若しくは高等専門学校において工学に関する学科その他無人航空機に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)又はこれと同等以上の学力を有する者であつて、通算して三年以上無人航空機の設計、製造過程及び検査に関する実務の経験を有するものであり、かつ、その人数が二名以上であること。
- 二登録申請者が、無人航空機の製造又は輸入を業とする者(以下「無人航空機製造等事業者」という。)に支配されているものとして次のイからハまでのいずれかに該当するものでないこと。
- イ登録申請者が株式会社である場合にあつては、無人航空機製造等事業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。
- ロ登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める無人航空機製造等事業者の役員又は職員(過去二年間に当該無人航空機製造等事業者の役員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
- ハ登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、無人航空機製造等事業者の役員又は職員(過去二年間に当該無人航空機製造等事業者の役員又は職員であつた者を含む。)であること。
2国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、第百三十二条の二十四の登録をしてはならない。
- 一この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
- 二第百三十二条の三十六の規定により第百三十二条の二十四の登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
- 三法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
3第百三十二条の二十四の登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
- 一登録年月日及び登録番号
- 二登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
- 三登録を受けた者が無人航空機検査事務を実施する事業所の名称及び所在地
- 四前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
第百三十二条の二十七 (登録の更新)
第百三十二条の二十四の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2前二条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
第百三十二条の二十八 (検査の義務)
登録検査機関は、無人航空機検査を実施することを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、無人航空機検査を実施しなければならない。
2登録検査機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める基準に適合する方法により無人航空機検査を実施しなければならない。
第百三十二条の二十九 (登録事項の変更の届出)
登録検査機関は、第百三十二条の二十六第三項第二号から第四号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
第百三十二条の三十 (無人航空機検査事務規程)
登録検査機関は、無人航空機検査事務の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機検査事務の実施に関する規程(次項、第百三十二条の三十五第二項及び第百三十二条の三十六第二項第二号において「無人航空機検査事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2無人航空機検査事務規程には、無人航空機検査の実施方法、無人航空機検査に関する料金の算定方法その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
第百三十二条の三十一 (無人航空機検査事務の休廃止)
登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機検査事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第百三十二条の三十二 (財務諸表等の備付け及び閲覧等)
登録検査機関は、毎事業年度、当該事業年度の経過後三月以内に、当該事業年度の財務諸表等を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。
2無人航空機製造等事業者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。 ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
- 一財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
- 二前号の書面の謄本又は抄本の請求
- 三財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
- 四前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
第百三十二条の三十三 (秘密保持義務等)
登録検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その無人航空機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。
2無人航空機検査事務に従事する登録検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第百三十二条の三十四 (適合命令)
国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十六第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該登録検査機関に対し、当該要件に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第百三十二条の三十五 (改善命令)
国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十八の規定に違反していると認めるときは、当該登録検査機関に対し、無人航空機検査を実施すべきこと又は無人航空機検査の方法の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
2国土交通大臣は、第百三十二条の三十第一項の認可をした無人航空機検査事務規程が無人航空機検査事務の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、当該無人航空機検査事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
第百三十二条の三十六 (登録の取消し等)
国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十六第二項第一号又は第三号に該当するに至つたときは、第百三十二条の二十四の登録を取り消さなければならない。
2国土交通大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて無人航空機検査事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 一第百三十二条の二十九から第百三十二条の三十一まで、第百三十二条の三十二第一項、第百三十二条の三十三第一項又は次条の規定に違反したとき。
- 二第百三十二条の三十第一項の規定により認可を受けた無人航空機検査事務規程によらないで無人航空機検査事務を実施したとき。
- 三正当な理由がないのに第百三十二条の三十二第二項の規定による請求を拒んだとき。
- 四前二条の規定による命令に違反したとき。
- 五不正の手段により第百三十二条の二十四の登録を受けたとき。
第百三十二条の三十七 (帳簿の記載)
登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機検査事務に関し国土交通省令で定める事項を帳簿に記載し、これを保存しなければならない。
第百三十二条の三十八 (国土交通大臣による無人航空機検査事務の実施等)
国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の三十一の許可を受けてその無人航空機検査事務の全部若しくは一部を休止したとき、第百三十二条の三十六第二項の規定により登録検査機関に対し無人航空機検査事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は登録検査機関が天災その他の事由によりその無人航空機検査事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その無人航空機検査事務の全部又は一部を自ら行うことができる。
2国土交通大臣が前項の規定により無人航空機検査事務の全部若しくは一部を自ら行う場合、登録検査機関が第百三十二条の三十一の許可を受けてその無人航空機検査事務の全部若しくは一部を廃止する場合又は国土交通大臣が第百三十二条の三十六の規定により登録を取り消した場合における無人航空機検査事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。
第百三十二条の三十九 (公示)
国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
- 一第百三十二条の二十四の登録をしたとき。
- 二第百三十二条の二十九の規定による届出があつたとき。
- 三第百三十二条の三十一の許可をしたとき。
- 四第百三十二条の三十六の規定により登録を取り消し、又は同条第二項の規定により無人航空機検査事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
- 五前条第一項の規定により国土交通大臣が無人航空機検査事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた無人航空機検査事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
航空法 第132条の56〜第132条の68(指定試験機関・全文)
技能証明の試験を担う機関の条文です。
第百三十二条の五十六 (指定試験機関の指定)
国土交通大臣は、申請により指定する者に、第百三十二条の四十七第一項(第百三十二条の五十二第二項において準用する場合を含む。)の試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。
2前項の規定による指定(以下この款において単に「指定」という。)を受けた者(以下「指定試験機関」という。)は、試験事務の実施に関し第百三十二条の四十九第一項(第百三十二条の五十二第二項において準用する場合を含む。)に規定する国土交通大臣の職権を行うことができる。
3国土交通大臣は、指定試験機関に試験事務を行わせるときは、試験事務を行わないものとする。
第百三十二条の五十七 (指定の基準)
国土交通大臣は、指定をしようとするときは、指定の申請が次の各号に掲げる基準のいずれにも適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
- 一職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が定められ、かつ、当該計画が試験事務の適正かつ確実な実施に適合したものであること。
- 二前号の計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
- 三法人にあつては、その役員又は法人の種類に応じて国土交通省令で定める構成員の構成が試験事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
- 四前号に定めるもののほか、試験事務が不公正になるおそれがないものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
- 五その指定をすることによつて指定試験機関の当該申請に係る試験事務の適正かつ確実な実施を阻害することとならないこと。
2国土交通大臣は、指定の申請が次の各号のいずれかに該当するときは、指定をしてはならない。
- 一申請者が第百三十二条の六十六第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。
- 二法人にあつては、その役員のうちにこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者があること。
第百三十二条の五十八 (指定の公示等)
国土交通大臣は、指定をしたときは、指定試験機関の名称及び住所、試験事務を行う事務所の所在地並びに試験事務の開始の日を官報で公示しなければならない。
2指定試験機関は、その名称若しくは住所又は試験事務を行う事務所の所在地の変更をしようとするときは、その二週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
3国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第百三十二条の五十九 (指定の更新)
指定試験機関の指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2第百三十二条の五十六及び第百三十二条の五十七の規定は、前項の指定の更新について準用する。
第百三十二条の六十 (無人航空機操縦士試験員)
指定試験機関は、試験事務を行う場合において、無人航空機操縦士として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、無人航空機操縦士試験員に行わせなければならない。
2指定試験機関は、無人航空機操縦士試験員を国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3指定試験機関は、無人航空機操縦士試験員を選任したときは、その日から二週間以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。 これを変更したときも、同様とする。
4国土交通大臣は、無人航空機操縦士試験員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは試験事務の実施に関する規程(以下「試験事務規程」という。)に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、無人航空機操縦士試験員の解任を命ずることができる。
5前項の規定による命令により無人航空機操縦士試験員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、無人航空機操縦士試験員となることができない。
6指定試験機関は、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機操縦士試験員に対し、その職務の遂行に必要な研修を実施しなければならない。
第百三十二条の六十一 (試験事務規程)
指定試験機関は、試験事務の開始前に、試験事務規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。 これを変更しようとするときも、同様とする。
2国土交通大臣は、前項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その試験事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3試験事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
第百三十二条の六十二 (予算等の提出)
指定試験機関は、毎事業年度、予算及び事業計画を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣に提出しなければならない。 これを変更したときも、同様とする。
2指定試験機関は、毎事業年度、決算報告書及び事業報告書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に国土交通大臣に提出しなければならない。
第百三十二条の六十三 (秘密保持義務等)
試験事務に従事する指定試験機関の役員若しくは職員(無人航空機操縦士試験員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2前項に規定する指定試験機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第百三十二条の六十四 (監督命令)
国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第百三十二条の六十五 (試験事務の休廃止)
指定試験機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、試験事務に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2国土交通大臣は、指定試験機関の試験事務の全部又は一部の休止又は廃止により試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の許可をしてはならない。
3国土交通大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第百三十二条の六十六 (指定の取消し等)
国土交通大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
- 一第百三十二条の五十七第一項第一号から第四号までのいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。
- 二第百三十二条の五十七第二項第二号に該当するに至つたとき。
- 三第百三十二条の五十八第二項、第百三十二条の六十第一項から第三項まで若しくは第六項、第百三十二条の六十二又は第百三十二条の六十三第一項の規定に違反したとき。
- 四第百三十二条の六十第四項、第百三十二条の六十一第二項又は第百三十二条の六十四の規定による命令に違反したとき。
- 五第百三十二条の六十一第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。
- 六不正の手段により指定を受けたとき。
2国土交通大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は試験事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
第百三十二条の六十七 (国土交通大臣による試験事務の実施)
国土交通大臣は、指定試験機関が第百三十二条の六十五第一項の規定により試験事務に関する業務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第一項の規定により指定試験機関に対し試験事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、試験事務を自ら行うものとする。
2国土交通大臣は、前項の規定により試験事務を行うものとし、又は同項の規定により行つている試験事務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を官報で公示しなければならない。
3国土交通大臣が、第一項の規定により試験事務を行うものとし、第百三十二条の六十五第一項の規定により試験事務に関する業務の廃止を許可し、又は前条第一項の規定により指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。
第百三十二条の六十八 (指定試験機関がした処分等に係る審査請求)
指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為については、国土交通大臣に対し審査請求をすることができる。 この場合において、国土交通大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。
ここからは私の解説です
検査する人には、学歴と経験の条件があります
第132条の26第1項第一号を読んでみてください。
無人航空機検査事務を実施する者が、学校教育法……に基づく大学若しくは高等専門学校において工学に関する学科その他無人航空機に関する学科を修得して卒業した者……又はこれと同等以上の学力を有する者であつて、通算して三年以上無人航空機の設計、製造過程及び検査に関する実務の経験を有するものであり、かつ、その人数が二名以上であること。
整理するとこうなります。
| 条件 | |
|---|---|
| 学力 | 大学・高専で工学等の学科を修得して卒業、または同等以上の学力 |
| 経験 | 設計・製造過程・検査の実務を通算3年以上 |
| 人数 | 2名以上 |
1人ではいけません。2名以上と条文に書いてあります。1人だと、その人が辞めた瞬間に検査が止まってしまいますし、判断を突き合わせる相手もいなくなります。
ここがいちばん面白いところです。メーカーに支配されていないこと
第132条の26第1項第二号です。登録申請者が、無人航空機の製造または輸入を業とする者に支配されていないこと——それを、3つの形で具体的に書いています。
| これに当たると登録できない | |
|---|---|
| イ | 株式会社の場合、メーカーが親法人であること |
| ロ | 役員に占めるメーカーの役員・職員の割合が2分の1を超えること(過去2年間に役員・職員だった者を含む) |
| ハ | 申請者(法人ならその代表権を有する役員)が、メーカーの役員・職員であること(同じく過去2年を含む) |
「過去2年間に役員又は職員であつた者を含む」という括弧書きが2か所に入っているのが、私は上手いと思いました。直前に辞めて移ってきた、という抜け道をふさいでいます。
自分の会社が作った機体を、自分の会社が検査して合格を出す——それでは検査の意味がありません。その当たり前を、条文で具体的に書いてあるということです。
検査を頼まれたら、断れません
第132条の28第1項です。
登録検査機関は、無人航空機検査を実施することを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、無人航空機検査を実施しなければならない。
民間の会社ですが、相手を選べません。正当な理由がなければ断れない、と定められています。
登録講習機関にも似た規定があります(第6回で読んだ第132条の72)。「公正に」行うこと、が共通して書かれています。国の事務を代わりに担う以上、当然といえば当然です。
「登録」と「指定」は、何が違うのでしょうか
検査と講習は「登録」、試験は「指定」です。条文を読み比べると、違いが見えてきます。
登録のほうは、要件に適合していれば登録しなければならないという書き方です(第132条の26第1項、第132条の70第1項)。条件を満たす人は、何者でも登録される、ということです。
指定のほうには、こういう基準が入っています(第132条の57第1項第五号)。
その指定をすることによつて指定試験機関の当該申請に係る試験事務の適正かつ確実な実施を阻害することとならないこと。
そして第132条の56第3項です。
国土交通大臣は、指定試験機関に試験事務を行わせるときは、試験事務を行わないものとする。
指定すると、国は試験をやらなくなります。だから何者でも指定するわけにはいかず、既存の機関の実施を阻害しないかまで見る——そういう作りになっているのだと私は読みました。ここは条文の書き方からの私の解釈で、確定ではありません。
期間の違いも、そう考えると腑に落ちます。指定試験機関だけが5年で、検査と講習は3年でした。
試験の合否を判定するのは「試験員」です
第132条の60第1項です。
指定試験機関は、試験事務を行う場合において、無人航空機操縦士として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、無人航空機操縦士試験員に行わせなければならない。
試験の運営と、合否の判定は別扱いです。判定は、国土交通省令で定める要件を備える試験員でなければできません。選任したら2週間以内に国土交通大臣へ届け出ることになっています(同条第3項)。
試験の結果に納得できないときは、審査請求ができます
受験する側にとっていちばん大事なのは、この条文かもしれません。第132条の68です。
指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為については、国土交通大臣に対し審査請求をすることができる。
民間の機関が行った処分でも、国に対して不服を申し立てる道があるということです。条文は続けて、国土交通大臣を指定試験機関の上級行政庁とみなすと定めています。
「民間に任せたから、あとは知らない」ではありません。最後は国が責任を持つという筋が通してあります。
機関が止まったときは、国が自分でやります
登録検査機関にも指定試験機関にも、同じ形の条文があります(第132条の38、第132条の67)。
| こうなったとき | 国土交通大臣が |
|---|---|
| 機関が業務を休止したとき | 自らその事務を行う(あらかじめ官報で公示) |
| 大臣が業務の停止を命じたとき | |
| 天災その他の事由で実施が困難になったとき |
試験や検査が止まってしまうと、受験する人も、機体を認証したい人も動けなくなります。そのときは国が引き取る——そこまで条文で決めてあります。
公示はすべて官報です
3つの機関に共通して、登録・指定をしたとき、変更の届出があったとき、休廃止の届出があったとき、取消しや業務停止を命じたときは官報で公示されます(第132条の39、第132条の58、第132条の81)。
そして変更は「2週間前まで」に届け出るのも、3つとも同じです。利用する人が古い情報で動かないように、という一貫した考え方だと思います。
この連載で読んだもの
全7回で、航空法 第11章「無人航空機」の全92条と、罰則6条、対応する施行規則、そして施行令の関係条を、全文で読み終えました。
| 回 | 読んだところ |
|---|---|
| 第1回・第2回 | 飛行の禁止空域、飛行の方法、飛行計画、飛行日誌、事故の報告、罰則 |
| 第3回 | 登録 |
| 第4回 | 機体認証・型式認証 |
| 第5回 | 技能証明 |
| 第6回 | 登録講習機関・登録更新講習機関 |
| 第7回 | 登録検査機関・指定試験機関 |
全部を通して読んで、いちばん強く感じたのは「立入管理措置」という一つの言葉が、法律全体を貫いていることでした。
| 何を分けるか | 基準 |
|---|---|
| 機体(第一種・第二種) | 立入管理措置を講じるかどうか |
| 人(一等・二等) | |
| 飛ばし方(許可が要るか) |
人の立入りを管理するのかしないのか。それだけで、必要な資格も、機体も、手続きも決まっていきます。教則ではばらばらに覚えることが多い部分ですが、条文を通して読むと、1本の筋が通っているのが見えてきます。
長い連載におつきあいいただき、ありがとうございました。
出典
- e-Gov法令検索「航空法」(昭和27年法律第231号)2026年9月時点の現行版
- e-Gov法令検索「航空法施行令」(昭和27年政令第421号)2026年9月時点の現行版
- e-Gov法令検索「航空法施行規則」(昭和27年運輸省令第56号)2026年9月時点の現行版
- 国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」令和8年7月7日公布・令和8年7月14日適用
本記事の内容は2026年9月時点のものです。登録検査機関・指定試験機関・登録講習機関の一覧は国土交通省の案内でご確認ください。法令には著作権がありません(著作権法第13条第1号)ので、条文はそのまま掲載しています。
登録講習機関講師 フライトデスク 監修



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