教則第5版をやさしく読む10|3.1-6 航空法全般(6)運航管理体制と技能証明制度【全文+講師の解説】

教則第5版をやさしく読む10|3.1-6 航空法全般(6)運航管理体制と技能証明制度【全文+講師の解説】 ストック記事

資格を取れば、もう自由に飛ばせる——そう思っていませんか。私も制度が始まったころは、どこかでそう考えていました。ですが教則を読むと、資格は「手続きの一部が省ける券」であって、責任が軽くなる券ではないことがはっきり書かれています。

今回は飛ばす体制(運航管理体制)と、飛ばす人(技能証明制度)の2本立てです。技能証明と機体認証がそろっても許可・承認が残る飛行はどれか。手続きが要らなくなる代わりに、自分で作って守らなければならない飛行マニュアルの5項目は何か。そして技能証明の取り方、6つの種類と3つの方法の限定、身体検査の基準、かかるお金、更新の締切まで。この節で第4版から変わったのは、実は1箇所だけです。そこもあとで示します。

  1. 教則第5版 3.1 航空法全般(6)運航管理体制と技能証明制度(全文)
  2. ここからは私の解説です
    1. この節がいちばん言いたいこと
    2. カテゴリーⅡB は「何も要らない」ではありません
    3. カテゴリーⅡA は、資格があっても許可・承認が残ります
    4. カテゴリーⅢは二等の範囲外。でも「保険」の一文は読む価値があります
    5. 限定は「6種類 × 3方法」。表の読み方に注意してください
    6. 申請「できない人」と、合格しても「拒否できる人」は別です
    7. 身体検査——25kg未満と二等なら、運転免許証で代えられます
    8. ところが、25kg以上だけは別世界です
    9. 25kg以上の身体検査は、実際に何を見られるのか
    10. 目——ここがいちばん厳しい
    11. 眼鏡やコンタクトの方へ——検査には「予備の眼鏡」を必ず持って行ってください
    12. 心臓と聴力——ここも数字で切られます
    13. 生活習慣・脳・こころ——「あるか」ではなく「コントロールできているか」
    14. 読み通して私が思ったこと
    15. そして、25kg以上の検査を受けられる場所は全国に38しかありません
    16. 更新のときは「身体適性検査」——色覚が外れます
    17. 順番と有効期間——ここでつまずく人がいます
    18. 登録講習機関を使うと、実地試験が免除されます(819事務所)
    19. お金の話(2026年8月時点)
    20. この節で第4版から変わったのは、たった1箇所です
    21. 技能証明を受けた者の義務——限定・条件・携帯
    22. 取消し等——前回の点数表とつながります
    23. この回の数字まとめ
    24. おわりに
  3. 出典

教則第5版 3.1 航空法全般(6)運航管理体制と技能証明制度(全文)

出典:国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」(令和8年7月7日公布・令和8年7月14日適用)。読みやすさのためレイアウトを再構成し、原本で混在している英数字の全角・半角を半角にそろえています。本記事は国土交通省の公式なものではありません。

  • (4) 運航管理体制(安全確保措置・リスク管理等)
  • 1) 安全確保措置等

カテゴリーⅡ飛行のうち、カテゴリーⅡB 飛行については、技能証明を受けた操縦者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合には、特段の手続きなく飛行可能である。この場合には、安全確保措置として次に掲げる事項等を記載した飛行マニュアルを作成し遵守しなければならない。

  • a. 無人航空機の定期的な点検及び整備に関する事項
  • b. 無人航空機を飛行させる者の技能の維持に関する事項
  • c. 当該無人航空機の飛行前の確認に関する事項
  • d. 無人航空機の飛行に係る安全管理体制に関する事項
  • e. 事故等が発生した場合における連絡体制の整備等に関する事項

カテゴリーⅡ飛行のうち、カテゴリーⅡA飛行については、技能証明を受けた操縦者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合であっても、あらかじめ「運航管理の方法」について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要がある。

  • 2) カテゴリーⅢ飛行を行う場合の運航管理体制[一等]

カテゴリーⅢ飛行を行う場合には、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた操縦者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させることが求められることに加え、あらかじめ「運航管理の方法」について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要がある。

具体的には、無人航空機を飛行させる者は、第三者上空飛行に当たり想定されるリスクの分析と評価を実施し、非常時の対処方針や緊急着陸場所の設定などの必要なリスク軽減策を講じることとし、これらのリスク評価結果に基づき作成された飛行マニュアルを含めて、運航の管理が適切に行われることを審査される。また、飛行の許可・承認の審査において、無人航空機を飛行させる者が適切な保険に加入するなど賠償能力を有することの確認を行うこととしている。なお、リスク評価については、「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールド発行)を活用することが推奨されている。

  • (5) 無人航空機操縦者技能証明制度
  • 1) 制度概要

無人航空機操縦者技能証明(技能証明)制度は、無人航空機を飛行させるのに必要な技能(知識及び能力)を有することを国が証明する資格制度である。国が指定した民間試験機関(指定試験機関)による学科試験、実地試験及び身体検査により知識及び能力を判定し、これらの試験等に合格した場合には、国が技能証明を行う。

技能証明は、カテゴリーⅢ飛行に必要な技能に係る一等無人航空機操縦士とカテゴリーⅡ飛行に必要な技能に係る二等無人航空機操縦士の2つの資格に区分され、それぞれの資格において、無人航空機の種類(6種類)及び飛行の方法(3種類)について限定をすることとしている。

パワードリフト機(Powered-lift)の飛行にあたっては、回転翼航空機(マルチローター)及び飛行機の両方の種類の限定に係る資格が必要となる。

資格の区分 無人航空機の種類の限定 飛行の方法の限定
1. 一等無人航空機操縦士資格
2. 二等無人航空機操縦士資格
1-1. 回転翼航空機(マルチローター)(重量制限なし)
1-2 回転翼航空機(マルチローター)(最大離陸重量 25kg 未満)
2-1. 回転翼航空機(ヘリコプター)(重量制限なし)
2-2 回転翼航空機(ヘリコプター)(最大離陸重量 25kg 未満)
3-1. 飛行機(重量制限なし)
3-2 飛行機(最大離陸重量 25kg 未満)
1. 昼間(日中)飛行・目視内飛行
2. 昼間(日中)飛行
3. 目視内飛行
  • 2) 技能証明の資格要件

次に掲げる項目のいずれかに該当する場合には、技能証明の申請をすることができない。

  • a. 16歳に満たない者
  • b. 航空法の規定に基づき技能証明を拒否された日から1年以内の者又は技能証明を保留されている者(航空法等に違反する行為をした場合や無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があった場合に係るものに限る。)
  • c. 航空法の規定に基づき技能証明を取り消された日から2年以内の者又は技能証明の効力を停止されている者(航空法等に違反する行為をした場合や無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があった場合に係るものに限る。)

次に掲げる項目のいずれかに該当する場合には、技能証明試験に合格した者であっても技能証明を拒否又は保留することができる。

  • a. てんかんや認知症等の無人航空機の飛行に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている者
  • b. アルコールや大麻、覚せい剤等の中毒者
  • c. 航空法等に違反する行為をした者
  • d. 無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があった者
  • 3) 技能証明の交付手続き

技能証明を受けようとする者は、「指定試験機関」が実施する学科試験、実地試験及び身体検査に合格したうえで、国土交通大臣に技能証明書の交付の申請手続きを行う必要がある。この場合において、学科試験に合格しなければ、実地試験を受けることができない。

無人航空機の民間講習機関のうち国の登録を受けた「登録講習機関」の無人航空機講習(学科講習・実地講習)を修了した者にあっては、技能証明試験のうち実地試験を免除することができる。

技能証明試験に関して不正の行為が認められた場合には、当該不正行為と関係のある者について、その試験を停止し、又はその合格を無効にすることができる。この場合において、当該者に対し一定期間試験を拒否することができる。

これらの手続きについては、技能証明の新規交付に係る場合のほか、技能証明を有する者がその限定を変更しようとする場合も同様である。

また、技能証明の有効期間は3年であり、その更新を申請する者は、「登録更新講習機関」が実施する無人航空機更新講習を有効期間の更新の申請をする日以前3月以内に修了したうえで、有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間に国土交通大臣に対し技能証明の更新を申請しなければならない。

  • 4) 技能証明を受けた者の義務

技能証明を受けた者は、その限定をされた種類の無人航空機又は飛行の方法でなければ特定飛行を行ってはならない(飛行の許可・承認を受けて特定飛行を行う場合を除く。)。

技能証明を行うにあたって、国土交通大臣は技能証明に係る身体状態に応じ、無人航空機を飛行させる際の必要な条件(眼鏡・コンタクトレンズや補聴器の着用等)を付すことができることとしており、当該条件が付された技能証明を受けた者は、その条件の範囲内でなければ特定飛行を行ってはならない(飛行の許可・承認を受けて特定飛行を行う場合を除く。)。

技能証明を受けた者は、特定飛行を行う場合には、技能証明書を携帯しなければならない。

  • 5) 技能証明の取消し等

技能証明を受けた者が次に掲げる項目のいずれかに該当する場合には、技能証明の取消し又は1年以内の技能証明の効力の停止を受けることがある。

  • a. てんかんや認知症等の無人航空機の飛行に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている又は身体の障害であることが判明したとき
  • b. アルコールや大麻、覚せい剤等の中毒者であることが判明したとき
  • c. 航空法等に違反する行為をしたとき
  • d. 無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があったとき

ここからは私の解説です

この節がいちばん言いたいこと

ここは「資格を取ったあと」の節です。前回までが「どこを・どう飛ばすか」の線引きだったのに対して、今回は誰が、どんな体制で飛ばすのかという話に変わります。

読みどころは、はっきり2つです。ひとつは、技能証明と機体認証がそろっても、手続きが消えるとは限らないということ。もうひとつは、手続きが消えた代わりに、自分で作って守る義務がやってくるということ。この2つが分かれば、この節の前半は読めたことになります。

カテゴリーⅡB は「何も要らない」ではありません

教則は、カテゴリーⅡB飛行について「特段の手続きなく飛行可能である」と書いています。ここだけを読むと、資格と機体認証があれば何も要らないように見えます。

ですが、そのすぐ次の文にこう続きます。安全確保措置として、次の事項等を記載した飛行マニュアルを作成し遵守しなければならない、と。

飛行マニュアルに書く事項 ひとことで言うと
a. 定期的な点検及び整備 機体を放っておかない
b. 飛行させる者の技能の維持 腕を鈍らせない
c. 飛行前の確認 毎回、飛ばす前に見る
d. 飛行に係る安全管理体制 誰が何を決めるのかを決めておく
e. 事故等が発生した場合の連絡体制 起きてから連絡先を探さない

つまり「国に出す手続き」が要らなくなるだけで、「守るべき中身」は残るのです。むしろ、国が一件ずつ見てくれなくなるぶん、自分で決めて自分で守る度合いが上がります。私はここを、この節でいちばん誤解されやすいところだと思っています。

なお、飛行マニュアルは白紙から書き起こさなくても構いません。航空局が標準的なひな形を公開しています。場所を特定して申請する場合の標準マニュアル①と、場所を特定しない場合の②の2種類です(いずれも令和7年12月26日版)。実務ではこれを土台にして、自分の運航に合わせて足し引きするのが早いです。

カテゴリーⅡA は、資格があっても許可・承認が残ります

同じカテゴリーⅡ飛行でも、ⅡAは扱いが違います。技能証明を受けた人が、機体認証を受けた機体を飛ばす場合であっても、あらかじめ「運航管理の方法」について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要がある——教則はそう書いています。

では、何がⅡAなのか。第5回で読んだ定義のとおり、次の6つです。

  • 空港周辺
  • 高度150m以上
  • 催し場所上空
  • 危険物輸送
  • 物件投下
  • 最大離陸重量25kg以上の機体

覚え方としては、「落ちたときに被害が広がりやすいもの」がⅡAだと考えると腑に落ちます。空港と150m以上は有人機とぶつかる話、催し場所は下に人がいる話、危険物と物件投下は落ちる物そのものの話、25kg以上は落ちる機体そのものの話です。

カテゴリーⅢは二等の範囲外。でも「保険」の一文は読む価値があります

カテゴリーⅢ飛行の運航管理体制には〔一等〕の印が付いていますので、二等の学科試験の範囲からは外れます。とはいえ、ここに1つだけ、二等の人にも意味のある記述があります。

それは、許可・承認の審査で「適切な保険に加入するなど賠償能力を有すること」の確認を行うという一文です。

保険は原則として任意で、義務ではありません。これは第4回(2.3 事故が起きた時の対応)で読んだとおりです。ただしカテゴリーⅢだけは、審査の中で賠償能力が見られる。第三者の上空を飛ぶということは、そういうことなのだと私は受け取っています。

もうひとつ、リスク評価の物差しとして教則が名指ししているのが「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」です。福島ロボットテストフィールドが発行しているもので、本編と付録がすべて無償で公開されています。二等の試験には出ませんが、「リスク評価とは実際に何をすることなのか」を知るには、いちばん手近な公開資料です。

限定は「6種類 × 3方法」。表の読み方に注意してください

技能証明は一等・二等の2つに分かれ、それぞれに無人航空機の種類(6種類)と飛行の方法(3種類)の限定が付きます。

ここで気をつけたいのが、6種類の中身です。機体の形は3つ(マルチローター・ヘリコプター・飛行機)しかありません。それぞれに「重量制限なし」と「最大離陸重量25kg未満」の2つがあるので、3×2で6種類になります。

そして、飛行の方法の限定は「できること」ではなく「絞られている枠」です。昼間・目視内という枠が付いているところから始めて、夜間や目視外をやりたければ限定を変更(解除)する——という向きで理解すると、後の手続きの話がつながります。

もうひとつ、パワードリフト機(Powered-lift)を飛ばすにはマルチローターと飛行機の両方の種類の限定が必要だと明記されています。1機なのに資格は2つ要る、という珍しい書き方をされている箇所です。

申請「できない人」と、合格しても「拒否できる人」は別です

ここは条文の書き分けが細かいところです。そもそも申請できないのが3つ、合格しても拒否・保留され得るのが4つ。混ぜないでください。

区分 内容
申請できない 16歳未満/技能証明を拒否された日から1年以内・保留中/技能証明を取り消された日から2年以内・効力停止中
合格しても拒否・保留され得る てんかんや認知症等の病気/アルコールや大麻、覚せい剤等の中毒者/航空法等に違反する行為をした者/飛行に当たり非行又は重大な過失があった者

数字は16歳・1年・2年の3つです。拒否は1年、取消は2年。重い処分のほうが長い、と考えれば取り違えにくくなります。

身体検査——25kg未満と二等なら、運転免許証で代えられます

教則は「身体検査」という言葉こそ出しますが、基準も受け方も書いていません。ですが、これから受ける方がいちばん先に確認しておきたいのは、ここではないでしょうか。学科も実地も通ったのに身体検査で止まる、というのがいちばんつらいからです。

そこで、先に結論をお伝えします。一等の25kg未満限定と二等なら、身体検査は運転免許証の写しを出すだけで済みます。

これは航空局の「無人航空機操縦者技能証明における身体検査等実施要領」に書かれています。書類の確認でよい場合の「国土交通大臣がこれらと同等以上と認めるもの」として、既得の技能証明書・運転免許証・航空機操縦練習許可書の3つが挙げられているのです。

受け方 中身 手数料
書類を出す 運転免許証・既得の技能証明書・航空身体検査証明書など 5,200円
医師に書いてもらう 無人航空機操縦者身体検査証明書(申請前6月以内の検査) 5,200円
会場で受ける 指定試験機関で実際に検査を受ける 19,900円

運転免許証を出した場合の有効期間は1年、または運転免許証の有効期間のうち短いほうです。そして実施要領には、条件が付されている場合は、その条件を付すことと書かれています。運転免許に「眼鏡等」が付いている方は、技能証明にも「眼鏡等」の条件が付く、というだけの話です。眼鏡は不利になりません。

ひとつ注意点があります。指定試験機関は、使える運転免許証から自動二輪・小型特殊・原付を除くとしています。お持ちの免許がこれだけの場合は、医師に書いてもらうか、会場で受けることになります。

会場で受ける場合の基準は、次のとおりです(一等の25kg未満限定および二等・2026年8月時点)。

項目 基準
視力 両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上(片眼が0.3未満のときは、他眼の視野が左右150度以上で視力0.7以上)
色覚 赤色、青色及び黄色の識別ができること
聴力 後方2mの距離から発せられた通常の強さの会話の音声が正しく聞き取れること

視力は矯正視力で構いません。実施要領には、矯正には眼鏡のほかコンタクトレンズも含む、とはっきり書かれています(ただし望遠鏡式のものは眼鏡と認められません)。教則のほうにも、国土交通大臣は身体状態に応じて「眼鏡・コンタクトレンズや補聴器の着用等」の条件を付すことができる、とあります。自動車の運転免許とまったく同じ考え方だと思ってください。

ところが、25kg以上だけは別世界です

ここが、この節でいちばん知られていないところだと私は思います。同じ一等でも「25kg未満」の限定を外す——つまり25kg以上の機体を飛ばせるようにすると、身体検査の中身がまるごと変わります。

まず、運転免許証は使えません。 実施要領では、25kg以上について「同等以上と認めるもの」は航空機操縦練習許可書だけとされていて、運転免許証も既得の技能証明書も外れています。残る道は2つです。

  • 医師に検査してもらう(申請前6月以内。無人航空機操縦者身体検査証明書+別紙)
  • 航空身体検査証明書を持っている(=有人機のパイロットの身体検査に通っている)

つまり実質的に、航空身体検査の世界に入ります。

基準も別立てです。実施要領は、25kg以上について国際民間航空条約の附属書一 第177改訂版に規定する第三種身体検査基準に相当する基準と定めています。国内の基準ではなく、国際基準が持ち出されているわけです。

どれくらい違うのか、実施要領の検査項目を私が数えてみました。

資格 検査項目
一等(25kg未満限定)・二等 5項目(視力/視野/色覚/聴力/疾病の有無)
一等(25kg以上) 大項目15・小項目67(一般/
循環器/
呼吸器/
消化器/
内分泌・代謝/
血液/
腎・泌尿器/
感染症/
産婦人科/
運動器/
精神/
神経/
眼/
耳鼻咽喉/
腫瘍)

中身には、心電図検査、脳波検査、尿検査、視野、両眼視機能、血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、てんかん、腫瘍まで並びます。健康診断というより、パイロットの身体検査そのものです。

なぜここまで求められるのか。実施要領に、その理由らしき一節があります。25kg以上の機体は地上で自動飛行プログラムを入力して飛ばすのが基本で、座って操縦装置(PC)を操作し、操縦士は基本的に一人。ただし異常時や緊急時には手動に切り替えて対処する——という想定が書かれているのです。一人で、いざというときに手動で取り返す。だから体調で判断が鈍ることが許されない。私はそう読みました。

25kg以上の身体検査は、実際に何を見られるのか

「大項目15・小項目67」と言われてもピンと来ないと思いますので、実施要領から中身を紹介します。ここから少し医学の話が続きますが、先にお伝えしたいことがあります。読んでみると「持病があるから即アウト」という作りにはなっていません。「専門医が、コントロールできていると確認したか」で判断する書き方が徹底されています。

実際、この部分に「専門医」という語は64回出てきます。眼科・循環器系・消化器・精神科・呼吸器系・内分泌代謝・耳鼻科・脳神経系・内科。そして「適合とする」が93回に対し、「不適合とする」は32回。専門医が確認すれば通す、という方向で書かれた文書です。

目——ここがいちばん厳しい

いちばん差が大きいのは目です。並べてみます。

項目 一等(25kg未満限定)・二等 一等(25kg以上)
遠くを見る視力 両眼0.7以上・一眼0.3以上(矯正可) 裸眼0.7以上かつ両眼1.0以上、または常用眼鏡で同等
中距離視力 基準なし 80cmで0.2以上(良い方の眼)
近くを見る視力 基準なし 30〜50cmで0.5以上(良い方の眼)
色覚 赤・青・黄の識別 石原色覚検査表で正常範囲
視野 片眼0.3未満のときだけ検査 全員がゴールドマン視野計等で検査

ここで40代以降の方に効いてくるのが、中距離視力と近見視力です。25kg未満と二等には、遠くを見る視力の基準しかありません。ところが25kg以上には、80cm先(=手元の操縦装置くらいの距離)と30〜50cm(=書類や画面を読む距離)の基準が加わります。老眼が始まっている方は、ここで初めて「矯正が要る」と言われる可能性があります。

視野の「正常」も具体的に決まっています。ゴールドマン視野計の最大イソプタで、上方60度・外上方75度・外方95度・外下方80度・下方70度・内下方60度・内方60度・内上方60度。ここから半径方向に15度以上狭くなっていると不適合です。さらに複視がないこと、視認できる範囲が8方向とも45度以上あること。初回は眼科専門医による総合的な眼科検査が要ります。

眼鏡やコンタクトの方へ——検査には「予備の眼鏡」を必ず持って行ってください

ここは、要領を読んでいていちばん実務的に大事だと思ったところです。

視力の矯正が必要な方には、身体検査証明に条件が付きます。その文言まで様式の記入要領に決められていて、こうなっています。

矯正が必要なところ 証明に付く条件
遠くを見る視力 常用眼鏡使用及び同予備眼鏡携帯
中距離視力 中距離視力矯正眼鏡携帯及び同予備眼鏡携帯
近くを見る視力 近見視力矯正眼鏡携帯及び同予備眼鏡携帯
中距離と近見の両方 中距離視力・近見視力矯正眼鏡携帯及び同予備眼鏡携帯

4つとも、末尾は「予備眼鏡携帯」です。眼鏡が要る人は、飛ばすときに予備の眼鏡を持っていることまでが条件になる、ということです。

そして、コンタクトレンズを使っている方は、検査そのもので予備の眼鏡が要ります。実施要領にも様式の記入要領にも、こう書かれています——コンタクトレンズを使用する者については、予備眼鏡の屈折度について算出してその数値を記入してもよい。屈折度は「±8ジオプトリーを超えないこと」という基準の判定に使う数字ですので、予備眼鏡が手元になければ、検査票のその欄が埋まりません。

もう一点、見落としやすいことがあります。コンタクトレンズを常用している方でも、予備は「眼鏡」でなければなりません。実施要領に「常用眼鏡としてコンタクトレンズを使用する場合であっても予備眼鏡としては眼鏡を携帯すること」と明記されています。予備のコンタクトでは代わりになりません。

ですので、眼科での検査に行くときは——いま使っている眼鏡(またはコンタクト)と、予備の眼鏡を必ず一緒に持って行ってください。忘れると、その日のうちに検査票が完成せず、出直しになりかねません。1回5,200円から19,900円かかる検査ですし、そもそも受けられる機関が全国38しかありません。持ち物ひとつで往復が無駄になるのは、いちばんもったいないと思います。

ついでに、眼鏡について要領に書かれている細かい決まりも挙げておきます。

  • オルソケラトロジー(就寝中に装用して角膜を矯正する方法)による矯正は不適合
  • 初めてコンタクトレンズを使う場合は1か月以上の順応期間をおくこと
  • 中距離・近見用の矯正眼鏡は、ルックオーバー型・二重焦点・三重焦点・累進屈折力レンズ等とする。跳ね上げ式も使ってよいが、跳ね上げた状態で遠くの視力基準を満たすこと
  • 視力の判定は、5個以上の指標に対して正答率60%以上(ランドルト環・測定距離5m)

心臓と聴力——ここも数字で切られます

血圧の基準は収縮期160mmHg未満・拡張期95mmHg未満、加えて自覚症状を伴う起立性低血圧がないことです。

降圧薬は使ってかまいません。ただし一定用量が維持されてから2週間を経過し、副作用が認められないときに適合、という条件付きです。薬を飲んでいること自体は問題にされていません。

運動負荷心電図が必要になった場合はトレッドミル法が原則で、年齢相当最大心拍数の85%以上まで上げます(届かない場合は75%以上かつダブルプロダクト20,000以上)。歩くだけでは終わらない検査です。

聴力の基準も具体的です。

25kg未満・二等の「後方2mの会話が聞き取れること」に対して、25kg以上はこうです。

暗騒音が50dB(A)未満の部屋で、各耳について500・1,000・2,000Hzの各周波数で35dBを超える聴力低下がないこと。3,000Hzで50dBを超える聴力低下がないこと。

聴力低下が見つかっても、そこで終わりではありません。基礎疾患がないことと、語音弁別能が両耳で85%以上であることが耳鼻科専門医に確認されれば適合になります。補聴器の使用も許容されていて、ただし操縦装置との干渉で悪影響が出ないかを確かめることになっています。

生活習慣・脳・こころ——「あるか」ではなく「コントロールできているか」

  • 肥満=BMI 30以上のときは、心血管系の危険因子と睡眠時無呼吸症候群の有無を評価する
  • 睡眠時無呼吸症候群=いびきや睡眠中の呼吸停止を周囲から指摘されていないか、日中に強い眠気がないかを問診。疑わしければエポワス眠気尺度(ESS)等で確認。治療が不十分で日中の過度の眠気がある場合は不適合
  • 糖尿病=薬でコントロールが良好なら適合。ただし無自覚性の低血糖症は不適合(人為的に血糖を調節できるものを除く)
  • 尿検査=尿蛋白または尿糖が陽性なら精査

いびきを指摘されたことがある、健康診断で尿糖が出た、血圧の薬を飲んでいる——40代以降なら、どれも珍しくない話です。だからこそ「あるかどうか」ではなく「コントロールできているか」を見るという書き方になっているのだと思います。

脳とこころについては、こう書かれています。

  • 脳波検査(EEG)=病歴または臨床的に必要と判断された場合に実施。全員が受けるわけではない
  • てんかん=既往があっても、過去5年以内に発作がなく、医師が今後発作のおそれはないと診断した場合などの条件で適合になり得る
  • 認知症=日常生活に支障が生じる程度まで認知機能が低下した状態は不適合
  • アルコール依存=治療を終えて寛解と判断されてから、断酒と経過良好な状態が6か月以上続いていることを確認
  • 睡眠障害=重度の眠気の症状を呈するものは不適合

そして運動器には、こう書かれています。義手等の補助具を使用し、通常の無人航空機の操縦に支障がない場合は適合とする——ただし様式に身体機能・運動機能の状態と補助具を明記すること。体に障害があることが、それだけで扉を閉ざす作りにはなっていません。

読み通して私が思ったこと

厳しいのは事実です。ですが厳しさの向きがはっきりしています。目・耳・意識——つまり「見えるか」「聞こえるか」「意識を失わないか」には容赦がありません。裸眼または常用眼鏡で両眼1.0、視野の狭窄15度、聴力35dB。ここは数字で切られます。

一方で、血圧も、糖尿病も、てんかんの既往も、依存の既往も、義手も、条件次第で適合になります。専門医が確認し、経過が良好で、コントロールされていれば通る。「病気があるかどうか」ではなく「今、無人航空機の操縦に支障を来すおそれがあるかどうか」で見ている——私はそう読みました。

25kg以上を考えている方は、まず直近の健康診断の結果を持って、眼科と、かかりつけの内科に相談するのが現実的な第一歩だと思います。特に目は、この検査でいちばん先に引っかかるところですし、いちばん先に確かめられるところでもあります。なお、ここに書いたのは要領の内容の紹介であって、私は医療の専門家ではありません。ご自身の状態については必ず医師にご相談ください。

そして、25kg以上の検査を受けられる場所は全国に38しかありません

ここは調べていていちばん驚いたところです。国土交通省が公表している「無人航空機操縦者身体検査機関一覧」(令和8年4月1日)を数えたところ、25kg以上の身体検査を実施している(または実施予定の)機関は全国で38でした。都道府県でいうと18。裏を返すと、29県には1つもありません。

都道府県 機関数
東京都 10
兵庫県 5
愛知県 4
熊本県・佐賀県・福井県・福岡県 各2
茨城県・岡山県・岩手県・宮崎県・宮城県・埼玉県・三重県・滋賀県・千葉県・長野県・北海道 各1

ここに名前のない県にお住まいなら、県をまたいで受けに行くことになります。25kg以上を目指す方は、スクールを探すより先に、通える範囲に検査機関があるかを確かめるほうが順序として正しいと私は思います。しかも国土交通省は、この一覧について受検できることを保証するものではないと注記しています。行く前に、必ず電話で確かめてください。

前に見た「25kg以上の講習ができる登録講習機関は二等220・一等210しかない」という話と、ここは重なります。25kg以上は、講習も身体検査も、入口がとても細いのです。

更新のときは「身体適性検査」——色覚が外れます

もうひとつ、教則には書かれていない最近の変更をお伝えします。実施要領は令和7年12月9日に改正され、新規のときの「身体検査」と、更新のときの「身体適性確認」「身体適性検査」が呼び分けられるようになりました。

中身の違いははっきりしています。身体適性基準とは、身体検査基準から色覚に係る部分を除いたもの——実施要領にそう定義されています。つまり更新のときは色覚を見ません。一度確かめた色覚はそう変わらない、という考え方でしょう。

更新でも、25kg未満と二等なら運転免許証の写しで足ります。医師に書いてもらう場合の「無人航空機操縦者身体適性検査証明書」は申請前3月以内の検査結果です。更新講習の「申請日以前3月以内」と期間がそろっていますので、まとめて片づけられると覚えておくと段取りが楽になります。

順番と有効期間——ここでつまずく人がいます

教則には「学科試験に合格しなければ、実地試験を受けることができない」と書かれています。順番は学科が先です。

そして、合格には期限があります。学科試験の合格証明番号は2年、身体検査の合格証明番号は1年です(いずれも指定試験機関の公表値・2026年8月時点)。

この2つの数字が違うことに、私は注意を払っています。身体検査だけ1年で切れるので、いちばん先に身体検査を済ませてしまうと、実地に手間取っているうちに期限が来てしまうことがあり得ます。あくまで私の読み方ですが、身体検査は交付申請の見通しが立ってからのほうが安全だと考えています。

登録講習機関を使うと、実地試験が免除されます(819事務所)

教則にあるとおり、国の登録を受けた登録講習機関の講習(学科講習・実地講習)を修了すると、実地試験が免除されます。学科試験は免除されません。ここは間違えやすいところです。

では、どれくらいあるのか。国土交通省が公表している一覧(令和8年7月31日時点)を私が数えたところ、登録講習機関は819の事務所ありました。内訳はこうです。

講習の区分 一等 二等
基本 600 819
夜間 595 798
目視外 596 805
25kg以上 210 220

ここで目を引くのが25kg以上です。819のうち220——4分の1ほどしかありません。夜間や目視外はほとんどの事務所が扱っているのに、25kg以上だけがはっきり少ない。大型機を扱う予定がある方は、スクールを決める前に、その事務所が25kg以上の講習に対応しているかを確かめてください。あとから探そうとすると、選択肢がかなり狭まります。

更新のほうも見ておきます。更新講習を行える登録更新講習機関は、同じ令和8年7月31日時点で230の事務所(うち一等に対応するのは180)でした。新規の819に対して、更新は230。更新できる場所は、取ったときより少ないということです。

お金の話(2026年8月時点)

教則には金額が書かれていませんので、指定試験機関と国土交通省が公表している額をまとめます。二等・マルチローターで、登録講習機関を使う場合の骨格です。

項目 金額 備考
二等学科試験 8,800円 一等は9,900円
身体検査 5,200円 会場での受検は19,900円
技能証明書の交付(新規) 3,000円 再交付も3,000円
技能証明書の交付(更新・限定変更) 2,850円 —
登録免許税 3,000円 一等のみ。上の手数料に加えて必要

実地試験を指定試験機関で受ける場合は、二等マルチローターの基本で20,400円(一等は22,200円)が別に必要です。登録講習機関で修了すれば、この実地試験は免除されます(代わりにスクールの受講料がかかります)。

金額は改定されることがありますので、申し込む前に必ず公式サイトでご確認ください。

この節で第4版から変わったのは、たった1箇所です

ここは調べていて意外だったところです。国土交通省が公開している「第4版からの変更履歴」版と第5版の本文を、この節の範囲で1行ずつ突き合わせてみました。変わっていたのは更新の申請期間、その1箇所だけでした。

版 更新の申請期間
第4版 有効期間が満了する日以前6月以内
第5版 有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間

言葉としては小さな差ですが、意味はかなり違います。第4版では期限ぎりぎりでも申請できましたが、第5版では「満了1か月前」で受付が閉じます。うっかり最後の1か月に入ってしまうと、その期の更新には間に合いません。

しかも、更新講習は申請日以前3月以内に修了していなければなりません。ここは第4版から変わっていません。つまり実際には、満了の6か月前から動きはじめ、遅くとも1か月前には申請を終えるという段取りになります。更新講習ができる事務所が230しかないことを思い出すと、早めに動く理由がもう一つ増えます。

技能証明を受けた者の義務——限定・条件・携帯

この3つは短いのに、実務では毎回効いてきます。

  • 限定の範囲を出ない。 限定された種類の機体・飛行の方法でなければ、特定飛行を行ってはならない
  • 条件の範囲を出ない。 眼鏡等の条件が付いていれば、その範囲でなければ特定飛行を行ってはならない
  • 技能証明書を携帯する。 特定飛行を行う場合には携帯しなければならない

ただし前の2つには、どちらにも「飛行の許可・承認を受けて特定飛行を行う場合を除く」という括弧書きが付いています。限定の外に出たいなら、限定変更をするか、許可・承認を取るか。どちらかの道はある、ということです。

3つ目の「携帯」は、前回読んだ飛行日誌の携行と並びます。第9回と合わせると、特定飛行のときに手元になければいけないものは技能証明書と飛行日誌の2つです。どちらも「持っていること」自体が義務ですので、車に置きっぱなしにしない、という当たり前の話につながります。

取消し等——前回の点数表とつながります

技能証明の取消し、または1年以内の効力の停止を受けることがある事由は4つ。病気、中毒、航空法等への違反、非行又は重大な過失です。

この4つは、資格を申請するときに拒否・保留され得る4つとまったく同じ並びです。入り口で見られることは、出口でも見られると考えると、覚える量が半分になります。

そして「1年以内の効力の停止」の中身が、前回読んだ3月・6月・1年であり、15点で取消という点数表です。今回の節と前回の節は、ここで一本につながっています。

この回の数字まとめ

  • カテゴリーⅡB=手続き不要。ただし飛行マニュアルの5項目(点検整備・技能維持・飛行前確認・安全管理体制・連絡体制)は義務
  • カテゴリーⅡA=資格+機体認証があっても許可・承認が必要(空港周辺/150m以上/催し場所上空/危険物/物件投下/25kg以上)
  • 限定=種類6つ(3機種×重量2区分)・方法3つ。パワードリフト機はマルチと飛行機の両方
  • 申請できない=16歳未満/拒否から1年/取消から2年
  • 身体検査=視力両眼0.7・一眼0.3/色覚赤青黄/聴力後方2m。眼鏡等は条件が付くだけ
  • 身体検査は25kg未満と二等なら運転免許証の写しでよい(有効期間は1年か免許の残りの短いほう)。自動二輪・小型特殊・原付は除く
  • 25kg以上は運転免許証が使えない。 医師の検査(第三種身体検査基準に相当する基準)か航空身体検査証明書のみ。検査項目は5項目→大項目15・小項目67
  • 25kg以上の身体検査ができる機関=全国38・18都道府県(東京都10・兵庫県5・愛知県4)。29県はゼロ
  • 25kg以上の主な基準=視力裸眼0.7以上かつ両眼1.0以上(常用眼鏡は±8ジオプトリー以内)/25kg以上だけ中距離80cmで0.2以上・近見30〜50cmで0.5以上も見る/色覚石原色覚検査表/視野の狭窄15度で不適合/血圧160・95mmHg未満/聴力500・1,000・2,000Hzで35dB、3,000Hzで50dB/肥満はBMI 30以上で追加評価
  • ★眼鏡・コンタクトの方は、検査に予備の眼鏡を持参する。 証明に付く条件は4種類ともすべて「同予備眼鏡携帯」で終わり、コンタクトの方は予備眼鏡の屈折度を検査票に記入する。コンタクトの予備では不可(予備は眼鏡)。オルソケラトロジーは不適合
  • ただし「あるか」ではなく「コントロールできているか」で判定。降圧薬・糖尿病・てんかんの既往・補聴器・義手も、専門医が確認すれば適合になり得る
  • 更新のときは身体適性検査=身体検査基準から色覚を除いたもの(令和7年12月9日改正)。証明書は申請前3月以内
  • 有効期間=技能証明3年/学科の合格証明番号2年/身体検査の合格証明番号1年
  • 更新=更新講習を申請日以前3月以内に修了し、満了日の6月前から1月前までに申請
  • 登録講習機関=819事務所(25kg以上に対応は二等220・一等210)/登録更新講習機関=230事務所
  • 免除されるのは実地試験だけ。学科試験は免除されない

おわりに

この節を読み終えて私が思うのは、技能証明は「終わり」ではなく「始まり」だということです。取れば手続きが減る一方で、自分で飛行マニュアルを作り、限定と条件の中で飛ばし、3年ごとに更新する——という、終わりのない管理が始まります。

そして更新の締切が「1か月前まで」に変わったこと。これは第5版でこの節に入った唯一の変更ですが、うっかりすると資格が切れる、という意味では、いちばん生活に近い変更かもしれません。技能証明を取られた方は、満了日の7か月前あたりにカレンダーへ印を付けておくことを、私はおすすめします。

次回は「3.2 航空法以外の法令等(1)小型無人機等飛行禁止法」。航空法とはまったく別の法律で、100g未満の小さな機体も対象になるものです。令和8年7月14日に改正法が施行され、禁止される範囲が大きく広がりました。ここは知らないでは済まないところですので、1回まるごと使って読みます。

出典

  • 国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」令和8年7月7日公布・令和8年7月14日適用
  • 国土交通省「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)第4版からの変更履歴【参照用】」(この節の変更点の照合に使用)
  • 国土交通省「航空:無人航空機操縦者技能証明等」(学科試験が準拠する版、更新の申請期間、登録免許税)
  • 国土交通省「無人航空機操縦者技能証明書の交付手数料額」(新規・再交付3,000円/更新・限定変更2,850円)
  • 国土交通省「登録講習機関 一覧」「登録更新講習機関 一覧」いずれも令和8年7月31日時点(事務所数と限定変更の対応状況は、この一覧を集計したもの)
  • 指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)「無人航空機操縦士試験案内サイト」(学科試験の形式・手数料、身体検査の基準と受検方法、合格証明番号の有効期間)
  • 国土交通省航空局安全部無人航空機安全課「無人航空機操縦者技能証明における身体検査等実施要領」令和4年12月1日制定・令和7年12月9日一部改正(受検方法、運転免許証の扱い、25kg以上の第三種身体検査基準相当、検査項目、身体適性検査の定義)
  • 国土交通省「無人航空機操縦者身体検査機関一覧」令和8年4月1日(25kg以上の身体検査を実施する機関。機関数と都道府県の内訳は、この一覧を集計したもの)
  • 国土交通省航空局安全部無人航空機安全課「無人航空機操縦者身体検査証明書等別紙記入要領」令和5年4月27日制定・令和7年12月9日改正(証明に付す眼鏡の条件の文言、コンタクトレンズ使用者の屈折度の記入方法)
  • 国土交通省航空局「無人航空機 飛行マニュアル」(場所を特定した申請/場所を特定しない申請、いずれも令和7年12月26日版)
  • 福島ロボットテストフィールド「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」(RTF-GL-0006)

本記事の内容は2026年8月時点のものです。手数料や制度は改正されることがありますので、最新の情報は必ず国土交通省および指定試験機関の公式サイトでご確認ください。

この章を、問題で確認する

ここは学科試験では「無人航空機に関する規則」の分野にあたります。読んだ直後に解くと、取り違えていた箇所がその場で分かります。

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