【週刊まとめ】軍事UAVとeVTOLが加速、海外はBVLOS解禁も前進|2026年7月18日〜24日

週刊まとめ

一等無人航空機操縦士のフライトデスクです。2026年7月18日〜24日の1週間、当サイトでお届けした日刊ニュースから要点を整理してお届けします。今週は軍事UAVとeVTOLの動きが目立ち、海外ではBVLOS(目視外飛行)の制度整備も一段と前進しました。

軍事UAV:ウクライナ戦況と対ドローンの攻防

ウクライナとロシアの相互ドローン攻撃は今週も続き、前線後方での攻撃で双方に死者が出ています。ウクライナ側はロシア領内への大規模攻撃や、爆撃ドローンによる地上ロボットの前線空輸といった運用の高度化を見せました。

攻撃と同時に「守り」も動いています。IAIはミサイルに頼らずドローン群を無力化する電子戦システムを公開し、テラドローンは自律迎撃ドローン「Terra A1」の市場展開を発表。英国は無人僚機「Storm Fighter」計画を、米AeroVironmentは偵察UAV「P550」の量産受注を明らかにしました。

🎙️ 操縦士の視点:攻撃側の話題が続きますが、実務者として注目したいのは電子戦やジャミングなどの「対ドローン(C-UAS)」技術です。これらは民生の飛行環境にも影響し得るため、GNSS途絶時の挙動を想定した運航リスク管理が今後いっそう重要になると考えます。

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eVTOL/空飛ぶクルマ:ファンボローと事業化が加速

英ファンボロー航空ショーを舞台に、eVTOL勢が相次いで動きました。VerticalはeVTOLの初公開デモに臨み、ArcherはAndurilと自律VTOLを共同公開。国内ではSkyDriveが実用速度域となる時速100km飛行に成功し、タイでは4社と事業化提携を結びました。

導入に向けた枠組みづくりも進み、EveはカーボベルデでeVTOL最大30機の意向書を獲得。ArcherとBetaは充電網「ACES」を結成し、米フロリダのキシミー空港は空飛ぶタクシー拠点の整備に乗り出しています。

🎙️ 操縦士の視点:デモ飛行や提携の発表が続いていますが、量産型の型式証明取得と実際の商用運航開始はなお別の段階です。速度・航続の数値が実用域に近づいてきた点は前進と受け止めつつ、認証の進捗を冷静に見ていきたいところです。

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海外の制度・規制:BVLOS解禁とサプライチェーン

米国ではBVLOSの新ルール「Part 108」がOMB審査へ進み、ドローン配送の規制緩和も本格普及を後押しする流れが強まっています。FAAとEASAは9月にBVLOSで初の共同基調講演を予定しており、大西洋をまたぐ制度の歩み寄りがうかがえます。

一方で、米FCCは外国製のサーマル・LiDARドローンの販売禁止を提案するなど、安全保障を理由としたサプライチェーン規制の動きも見られました。英DronedeskはSORA審査の自動化でBVLOS申請を支援し、DJIは欧州でSAIL III適合宣言によりBVLOS承認の簡素化を打ち出しています。

🎙️ 操縦士の視点:海外のBVLOS制度整備は、日本の目視外飛行(レベル3.5・レベル4)の運用を考えるうえでも参考になります。ただし国ごとにリスク評価の枠組みが異なるため、国内申請にそのまま当てはめられない点には注意が必要です。

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機体・技術:DJIの新展開と国産・水素

DJIはエベレストで10トン超の高高度配送・氷河測量に成功したほか、二種認証のMatrice 4Dと新中継機を国際ドローン展に投入し、存在感を示しました。技術面では英IE社が120kWの水素燃料電池を発表し、過去最大級の受注も明らかにしています。

国内勢の連携も進み、石川エナジー×マゼックスが国産産業用ドローンで提携。フィックスターズはアトラックラボと自律ドローン開発で連携し、スタンダード・リンクは英Sky-Drones製VTOL機の国内独占販売権を取得しました。

🎙️ 操縦士の視点:機体認証(型式認証・機体認証)は、国家資格と組み合わせてはじめて特定飛行の負担軽減につながります。新型機を導入する際は、認証区分と自分の技能証明の限定内容が合致しているかを必ず確認したいところです。詳しくは修了審査の解説記事もご覧ください。

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物流・医療・測量・農業:社会実装が前進

物流・医療分野の実装が着実に進みました。Ziplineは医療配送を拡大しクリーブランド・クリニックと連携、BETAはeVTOLで移植用臓器の輸送飛行を実施。MatternetはPart135のBeelineと組んで米配送を拡大しています。

測量・農業でも動きがあり、テックファームは狭小空間ドローンでインフラ点検DXに参入、ZenaTechはカナダのドローン測量会社を買収。全森連とマゼックスはスマート林業でのドローン導入支援を始めました。国内では都内高層ビルへの「垂直物流」実証で、災害時の物資輸送が検証されています。

🎙️ 操縦士の視点:医療・災害・点検といった「社会インフラ」への実装が目立ちます。こうした運用は第三者上空や市街地を伴うことが多く、特定飛行の申請と運航リスク管理が実務の要になると考えます。

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市場動向:eVTOL株安とM&Aによる再編

成長期待の一方で、市場は正念場を迎えています。eVTOL主要3銘柄は年初来で40〜60%安となり、資金調達と商用化のスピードが改めて問われる局面です。

ドローンサービス(DaaS)市場は転換点を迎え、M&Aによる再編と投資の加速が同時に進行。カナダLanding ZonesがAirbus防衛部門と資本提携するなど、業界の集約が具体化しています。

🎙️ 操縦士の視点:株価や再編の話題は運航現場から遠く感じられますが、機体メーカーやサービス事業者の淘汰は、保守・部品供給・サポート体制に直結します。導入先の事業継続性を見極める視点も、実務では欠かせないと感じます。

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🏆今週のMVPニュースと来週の注目

今週のMVPは、米国のBVLOS新ルール「Part 108」がOMB審査へ進んだニュースです。目視外飛行の本格解禁は、物流・点検・警備といった商用ドローンの普及を一気に押し上げる可能性があり、日本の制度議論にも波及し得る重要な一歩と考えます。

来週は、ファンボロー航空ショーの残りの発表と、FAA・EASAの9月共同講演に向けた続報に注目です。eVTOL各社の飛行デモや型式証明の進捗、そしてeVTOL関連株の値動きも引き続き見ていきたいところです。


本ニュースの編集/監修は一等無人航空機操縦士(基・目・昼・25)で登録講習機関講師・終了審査員のフライトデスクが行いました

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