ドローンの国家資格の最上位、一等無人航空機操縦士。
その技能証明には、取得時に「昼間飛行に限る」という限定が付いています。
この限定を外すのが「昼間飛行の限定変更」、いわゆる昼間限定解除です。
一等の昼間限定解除は、立入管理措置を講じない夜間飛行、つまりカテゴリーIIIの夜間飛行に対応する資格です。
登録講習機関の修了審査に合格すれば、指定試験機関の実地試験が免除されます。
この記事は、その修了審査を一本で攻略しきるための決定版です。
最大の特徴は、150ルクス以下の暗さの中、灯火だけを頼りに飛ばすこと。
科目そのものは基本とほぼ同じです。だからこそ、「夜」という環境への準備がすべてを分けます。
なお内容は2026年6月5日施行の実地試験実施細則(改正版)に対応しています。
※この記事は審査の流れと要点の解説です。机上審査で使われる試験問題そのものは掲載していません。
まず結論:昼間限定解除修了審査の基本データ
迷ったらここだけ覚えてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 一等・昼間飛行の限定変更(回転翼マルチローター) |
| 確認する能力 | 立入管理措置なしの夜間飛行を安全に行う知識・能力 |
| 審査環境 | 照度150ルクス以下の試験場(夜間想定) |
| 機体の条件 | 姿勢を把握できる灯火の搭載が必須 |
| 採点方式 | 100点持ち点からの減点式 |
| 合格基準 | 80点以上(各試験科目の終了時点) |
| 実技科目 | 高度変化スクエア(GNSS OFF・6分)/緊急着陸を伴う8の字(GNSS OFF・5分) |
| 机上審査 | 5問・各5点・10分(夜間の飛行計画の作成) |
| 口述審査 | 飛行前点検・飛行後点検・記録(事故・重大インシデントの口述はなし) |
| 準拠する細則 | 実地試験実施細則(2026年6月5日施行) |
| 準拠する教則 | 飛行の安全に関する教則 第4版 |
合格ラインは基本と同じ80点。許される減点は20点までです。
実技は3科目ではなく2科目。ピルエットホバリングがなくなり、スクエアと8の字を夜に飛びます。
1. 昼間限定解除とは何か
技能証明を最初に取ると、「昼間飛行に限る」という限定が付きます。
このままでは、日没から日出までの夜間飛行はできません。
限定変更の講習を受け、修了審査に合格すると、この限定が外れます。
一等で昼間限定を解除する意味は大きく、立入管理措置を講じないカテゴリーIIIの夜間飛行に道が開けます。
夜間の物流、夜間の点検・警備、災害時の夜間捜索。社会的な需要が大きい飛行を担う操縦者の証明です。
つまりこの審査は「暗さの中でも、昼間と同じ水準で安全を保てるか」を見る試験です。
審査は基本と同様、机上・口述・実技を同じ日に完結させます。
2. 基本修了審査との違い(最初に頭を切り替える)
基本に受かった人ほど、ここで頭の切り替えが必要です。
違いを表にまとめます。
| 項目 | 一等基本 | 一等昼間限定解除 |
|---|---|---|
| 審査環境 | 昼間(明るい) | 照度150ルクス以下(暗い) |
| 実技科目数 | 3科目 | 2科目(ピルエットなし) |
| スクエア | GNSS OFF・1.5m⇄3.5m・6分 | 同じ(ただし夜) |
| 8の字 | GNSS OFF・1.5m・5分 | 同じ(ただし夜) |
| 機体の見え方 | 機体そのものが見える | 灯火の配置で判断 |
| 機体の条件 | ― | 姿勢把握可能な灯火が必須 |
| 点検での灯火 | 「非該当です」 | 該当(点検の本番) |
| 机上審査の型 | 飛行シナリオのリスク判断 | 飛行計画の作成の留意事項 |
| 口述(事故等) | あり | なし |
見てのとおり、コースも飛行モードも高度も制限時間も、基本と同じです。
変わるのは「明るさ」と「機体の見え方」。それだけで、難しさの質が一変します。
ATTIの止める技術は引き続き必須。そこに「灯火だけで姿勢を読む」技術が上乗せされます。
昼間なら無意識にできていた判断が、夜はできません。これが本審査の本質的な難しさです。
3. 夜の審査環境を知る(150ルクスの世界)
細則は、審査環境を細かく定めています。まずこれを知っておきましょう。
- 実技は照度150ルクス以下の試験場で行う。
- 離着陸時に機体の形状が視認できる状態であること。照明を使う場合も150ルクスを超えない範囲で機体周辺を照らす。
- 減点区画・不合格区画・飛行経路の目印が視認できる状態であること。こちらも150ルクス以下の範囲で照らす。
- 飛行時に機体の姿勢を把握可能な灯火を機体に搭載していること。
150ルクスは、おおむね「夕暮れの薄明かり」や「やや暗めの倉庫」程度の明るさです。
真っ暗闇ではありません。しかし、機体の細部や傾きを目で追える明るさでもありません。
飛行中に頼れるのは、機体の灯火の配置と、照らされた目印(パイロン等)だけ。
「アームの色で前後を見分ける」といった昼の癖は、夜には通用しないと考えてください。
「赤が見えたらこちら向き」と即答できるレベルが目標です。迷った時間だけ、機体は流されます。
4. 当日の流れ(全体像)
進行の順番は決まっています。
- 冒頭宣言 … 試験員が一発不合格の条件を告げます。
- 机上審査 … 夜間の模擬飛行計画について答えます。
- 口述(飛行前点検) … 機体を声に出して点検します。灯火の点検が「該当」になります。
- 実技審査 … 2科目を飛ばします。
- 口述(飛行後点検・飛行記録) … 点検と記録の記入を口述します。
基本にあった「事故・重大インシデント」の口述は、限定変更にはありません。
その分、覚える知識は減りますが、実技の配点リスクは凝縮されます。
5. 合格基準と採点のしくみ
採点は「100点の持ち点から引いていく」減点方式です。
一等は80点以上で合格です。(二等は70点以上)
許される減点は20点まで。5点減点が4回でアウト、という感覚です。
減点の3段階
そして8の字飛行では、円の中心を含まずに周回したときも一発不合格です。暗いと円が崩れやすいので要注意。
夜間でも「飛行中の機体及び周囲の状況を十分に監視する」「移動前・着陸前に安全を確認して伝える」が求められます。暗いからこそ、声に出す確認が効きます。
夜は機首方向のずれに気づきにくく、ここがじわじわ積み重なります。
区画の考え方
コースには2種類の「枠」があります。基本と同じです。
減点区画 … 飛行経路から1.5m離れたライン。ここに機体が半分以上入ると5点減点。
不合格区画 … 経路から2.5m離れたライン。ここに機体が半分以上入ると一発不合格。
救済も同じです。飛行区画(区間)ごとの初回進入は、試験員の通知後おおむね2秒以内に経路へ戻れば減点なし。
区画の目印は照明等で視認できる状態にされます。それでも昼間より見えにくいことに変わりはありません。
「枠の内側に収める」のではなく、「経路の線の真上を飛ぶ」意識で、枠を使わずに済ませましょう。
6. 机上試験の攻略
限定変更の机上は 5問・各5点・制限時間10分 です。
基本との違いは出題の型です。リスク判断ではなく、「飛行計画の作成」が問われます。
立入管理措置を講じない夜間飛行の模擬飛行計画が提示され、計画作成で留意すべき事項を答えます。
細則が挙げる留意事項の例は、次の4つの系統です。
- 航空法等の法令遵守 … 夜間飛行の承認、カテゴリーIII飛行の要件、機体認証など。
- 安全確保措置 … 第三者・物件への安全、補助者・照明の配置、運航体制。
- 機体の仕様・限界事項 … 灯火の仕様、最大風速・飛行時間・電波到達距離などの限界値。
- 自動飛行機能の設定 … 自動飛行する経路の設定、フェールセーフ(危機回避機能)の設定。
4つ目は重要です。自動操縦の技能は実機では試験されず、この机上だけで問われます(細則に明記)。
夜間ならではの観点も整理しておきましょう。日没・日出時刻の確認、月明かり・現地の照明状況、夜間に効きにくくなるビジョンセンサーの特性、RTH高度の設定などです。
試験問題そのものは持出厳禁の管理物です。この記事では具体的な問題文や正答は載せません。
次に機体の限界値と気象・経路・照明環境を突き合わせる。
最後に自動飛行経路とフェールセーフ設定が計画に合っているか確認する。
7. 口述(飛行前点検)の攻略
ここは満点を取りに行く場所です。
流れと減点表は基本と共通ですが、昼間限定解除では灯火が「該当」になります。
飛行前点検の減点表
| 減点細目 | 減点 | 内容 |
|---|---|---|
| 点検漏れ | 10点 | 実技に必要な点検を一つでも行わなかったとき |
| 日常点検記録の記載漏れ・誤り | 5点 | 様式の記載項目を一つでも書かない、または誤り |
| 日常点検記録の軽微な誤り | 1点 | 記入方法に従わず、点検日時・場所等を誤記 |
| 航空法等の違反 | 不合格 | アルコール・薬物の影響、機体の未登録、登録記号の未表示、必要な許可承認・技能証明/機体認証なし |
| 危険な操作 | 不合格 | 安全を確保せず推進系統を作動させて点検した、など |
| 不正行為 | 不合格 | 助言・補助を受けた、円滑な実施を妨げた |
複数ミスでも最も重い1つだけが適用される、制限時間切れは「やらなかった」扱い、受験者に起因しない事由は減点しない。
この3つのルールも基本と同じです。
灯火の点検が「本番」になる
基本飛行では、灯火は「非該当です」と言う対象でした。
昼間限定解除では逆です。灯火はこの審査の生命線。
作動前の外観点検に加えて、電源投入時に灯火が正常に点灯しているかを作動点検で確認します。
細則の作動点検例にも「機体及び操縦装置の電源を投入した際の状態及び機体の灯火は正常か」と明記されています。
一方、カメラは引き続き非該当です。黙って飛ばさず、「非該当です」と口に出し、備考にも記載します。
電源系と灯火・操縦装置・リモートID・通信系・推進系・自動制御系・操縦系。
この流れを、よどみなく言い切れるまで反復してください。暗い中での点検なので、ライトの準備と手元の段取りも練習のうちです。
8. 実技の攻略(昼間限定解除の2科目)
ここが本記事の核心です。
実技は2科目。コース・飛行モード・制限時間は基本と同じで、150ルクス以下の暗さの中で飛ばします。
どちらもGNSS OFF(ATTI)。基本で鍛えた「止める技術」を、夜の条件で再現できるかが問われます。
記入面では、登録記号の記載忘れが定番のミスです。部位の点検に集中するあまり、欄が抜けがちです。
そこで飛行前のこの段階で、実施場所・実施年月日・実施者まで記載しておくと、後半に余裕が生まれます。
※先に記入してよいかは、試験員に必ず確認してください。
2科目共通の「夜」の感覚
夜間の操縦には、昼と違う3つの壁があります。
① 距離感・高度感が消える。背景の手がかりが減り、機体までの距離と高さの感覚が大きく狂います。
② 姿勢は灯火でしか読めない。機体のシルエットは頼れません。前後左右の灯火の色・配置・点滅が唯一の手がかりです。
③ 視線移動で目が慣れ直す。明るい場所(送信機画面や照明)を見た直後は、暗順応が崩れて機体が見えにくくなります。
対策はシンプルです。灯火配置を覚え込む、目印(パイロン)との位置関係で距離を測る、送信機画面を見る時間を最小にする。
迷ったらホバリングで止めて、姿勢と位置を確かめ直してから動く。これが夜の鉄則です。
8-1. 高度変化を伴うスクエア飛行(夜間)
四角形(スクエア)の経路を、高度を変えながら一周する科目です。
コースは基本とまったく同じ。GNSS OFF・高度1.5m⇄3.5mで、夜に飛びます。
コースの点配置(上から見た図)。
- H:離着陸地点(中央)。ここで離陸・着陸します。
- A:下辺の中央(Hのすぐ手前)。スクエアの出入口です。
- B:右下の角(高度1.5m)
- C:右上の角(高度3.5m)
- D:左上の角(高度3.5m)
- E:左下の角(高度1.5m)
H→A→B→C→D→E→A→H)。右辺B→Cで1.5m→3.5mへ上昇、左辺D→Eで3.5m→1.5mへ下降します。受験者の立ち位置は経路から8.5m。実際の審査は照度150ルクス以下で行われ、各目印は照明等で視認できる状態にされます。移動順。
H(離陸)→ A → B → C → D → E → A → H(着陸)。基本とまったく同じです。
- Hで機首を前方に向けて離陸し、高度1.5mまで上昇して5秒間ホバリング。
- Aへ出て、そこからB(右下)へ。
- B→C(右辺を上昇)。ここで1.5m→3.5mへ高度変化。
- C→D(上辺を移動。高度3.5mのまま)。
- D→E(左辺を下降)。ここで3.5m→1.5mへ高度変化。
- E→A(下辺を戻る)。
- A→Hへ戻って着陸。
機首は常に進行方向に向けたまま動かします。
狙われる減点ポイント。
経路逸脱5点。夜は横方向のずれに気づくのが遅れます。気づいたときには減点区画、が典型です。
指示と明らかに異なる高度5点。夜は高度感が最も狂います。1.5mのつもりが2.5m、はよくある失敗です。
機首方向不良1点。灯火の見間違いで、機首がずれたまま飛びがちです。
ふらつき・不円滑各1点。ATTIの細かい揺れは夜も同じように見られています。
進む距離に対して高度を均等に配り、一定の割合で変化させながら移動しましょう。
コーナーは昼以上に「手前で減速」。夜は減点区画のラインが見えにくく、ふくらみのリカバリーが遅れます。
そして開始前に風を読む。暗いと吹き流しも見えにくいので、肌と音で風向を確かめる癖をつけましょう。
8-2. 緊急着陸を伴う8の字飛行(夜間)
8の字を描いたあと、途中で発生する緊急事態に対応して着陸する科目です。
こちらもコースと手順は基本と同じ。2026年6月改正の2段階手順で実施されます。
移動順(手順)。
- Hで機首を前方に向けて離陸し、高度1.5mまで上昇して5秒間ホバリング。
- 機首を進行方向に向けたまま、8の字を1周以上、連続して飛ぶ(中央Hを通って左右の円を交互に描く。回り出す向きは試験員の指示に従う)。
- 飛行中、試験員から緊急事態発生の宣言が入る。
- 宣言があり次第、8の字を中断し、その場でホバリング。
- 続いて試験員から緊急着陸の口頭指示。
- 指示が出たら、高度を維持したまま最短経路で指定の着陸地点へ移動。
- 着陸地点で着陸。
ポイントは、宣言が出てすぐ降ろさないこと。いったん止まって、着陸指示を待ちます。
そしてもうひとつ。次に起こすアクションを、動く前に口頭で試験員に伝えること。
「ホバリングします」「着陸地点へ移動します」「安全確認ヨシ、着陸します」。
これを徹底するだけで、監視不足・安全確認不足・指示と異なる飛行といった減点は大きく減ります。
狙われる減点ポイント。
8の字の形が崩れる。円の中心を含まずに回ると一発不合格です。夜は円が小さく歪みやすい。中心の目印を必ず円の内側に巻き込みます。
機首方向不良1点〜指示と異なる飛行5点。旋回中は灯火の見え方が連続的に変わります。四分円にわたって機首がずれると5点です。
緊急着陸での遠回り。最短経路でないと減点対象になります。
離着陸不良5点。夜の着陸は高さの感覚が狂い、最後にドンと降ろしがちです。
ところが、緊急着陸の指示が出たあとの移動中は、減点区画(1.5m)が適用されません(不合格区画は適用)。
夜は「枠が見えないから怖い」と感じる場面ですが、緊急着陸の移動は内側の減点区画が無効。落ち着いて着陸地点まで直進して問題ありません。
旋回は「灯火の見え方の変化」を先読みします。次の四分円で灯火がどう見えるはずかを頭に描いてから舵を入れる。
緊急の宣言が来たら、まず止める。着陸指示を待たずに動き出すのが、改正後のいちばんの失点です。
着陸は照らされた着陸地点の真上で一拍。ゆっくり降ろして、接地直前の強い衝撃を避けます。
実技全体を貫く3つのコツ
① 灯火を読む。機体のシルエットではなく、灯火の配置で姿勢を判断する。迷ったら止めて確かめ直す。
② 高度を疑う。夜の高度感は必ず狂います。「思ったより高い/低いかもしれない」を常に頭に置く。
③ 安全確認を声と動作で示す。監視不足・安全確認不足は各5点。暗くて見えにくいからこそ、確認の声を省略しない。
9. 口述(飛行後点検・飛行記録)の攻略
飛行のあとにも口述があります。ここも取りこぼしやすい場所です。
飛行後の「機体の点検」と「飛行記録の記入」の2つを確認されます。
「あわせて5分」は、やってみるとかなり短い時間です。
鍵は、飛行後点検の流れを考えずに行えるか。次の順番を体に入れておきます。
- 機体の電源OFF → 操縦装置の電源OFF
- 機器の取り付け状況の確認
- プロペラ・フレーム・識別表示の外観点検
- 発熱・ゴミの付着の確認
日常点検記録への記載は、異常なしならチェック一つで済むので心配いりません。
飛行後点検・記録の減点表
| 減点細目 | 減点 | 内容 |
|---|---|---|
| 飛行記録の記載漏れ・誤り | 10点 | 飛行日誌の様式で、記載項目を一つでも書かない/飛行時間の計算に誤り |
| 点検漏れ | 5点 | 飛行後の状態確認に必要な点検を一つでも行わなかった |
| 日常点検記録の記載漏れ・誤り | 5点 | 様式の記載項目を一つでも書かない、または誤り |
| 飛行記録の軽微な誤り | 1点 | 飛行年月日・離着陸場所等の誤記 |
| 日常点検記録の軽微な誤り | 1点 | 点検日時・場所等の誤記 |
| 不正行為 | 不合格 | 助言・補助を受けた、円滑な実施を妨げた |
いちばん重いのは、飛行記録のミスの10点。点検(5点)より記録(10点)のほうが重い、と覚えてください。
そして基本と同じく、点検系と記録系は別カウントです。両方でミスすれば最大15点まで引かれ得ます。
記録で間違えやすい点
飛行記録の年月日は西暦で記入します。和暦は誤りに取られます。
実技は2科目ですが、審査中にバッテリーの交換が行われなければ1フライトとして数えてよいことになっています。離着陸時刻は試験員から提供されるので、飛行時間の計算ミスに注意。
計算ミスは「記載漏れ・誤り」と同じ10点です。必ず検算しましょう。
暗い中での記入は誤記が出やすくなります。手元を照らすライトを用意し、書いたら読み返す。これだけで防げます。
なお、飛行前点検ですでに減点された記載ミスは、飛行後で二重に減点されません。
離陸場所は迷わないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
複数バッテリーのフライトに分かれた場合は、総飛行時間の計算を間違えないこと。
※1フライトとして扱えるかは、試験員に必ず確認してください。
10. 2026年6月5日改正で押さえる点
改正の全体像は基本修了審査の記事で解説したとおりですが、昼間限定解除に効く点を挙げます。
緊急着陸の手順が2段階になりました。宣言→その場ホバリング→着陸指示→高度維持で最短移動→着陸。8の字の科目に直結します。
保護具の着用が義務化されました。ヘルメットに加えて保護メガネも必須です。夜は保護メガネ越しの見え方がさらに変わるので、必ず暗所で慣れておいてください。
経路逸脱の復帰が「おおむね2秒以内」に明確化されました。逸脱の通知は試験員が行います。
8の字の不合格基準が明確化されました。円の中心を含まずに周回すると不合格です。
試験の同日完了が明文化されました。机上から口述まで同じ日に行います。
受験者補助員の制度が新設されました(直近2年で6か月以上かつ50時間以上の飛行実績が要件)。
風速の基準が「以下」から「未満」に変わりました。
11. 当日チェックリスト
最後に、忘れがちな項目をまとめます。
- 機体の灯火配置(前後・左右の色と点滅)を即答できるか
- 点検で電源投入時の灯火の点灯まで確認したか(カメラは「非該当です」)
- 暗所+保護メガネでの見え方に慣れたか
- 夜の高度感のずれを意識し、目印との比率で高さを作れるか
- B→C・D→Eの高度変化を、移動しながら一定の割合で行えるか
- 8の字は円の中心を巻き込んで回れているか(中心を外すと不合格)
- 緊急の宣言→まず止まる→指示を待つ、の順を体に入れたか
- 手元を照らすライトを準備し、飛行記録は西暦・2フライト分・検算をしたか
20点しか余裕はありません。
「知っているだけで防げるミス」から潰していきましょう。
12. さいごに——登録講習機関の講師から
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
昼間限定解除の審査で、受講生を見ていて感じることがあります。
夜の飛行は、技術が落ちるのではありません。情報が落ちるのです。
昼間は目から入っていた距離・高度・姿勢の情報が、夜はほとんど入ってこない。
それでも同じ精度で飛ぶには、灯火の読み方と目印の使い方という「夜の情報源」を、新しく身につけるしかありません。
幸い、科目は基本で一度合格したものと同じです。コースは体が覚えているはずです。
だから練習では、操縦の練習というより「夜の見え方に目と頭を慣らす」つもりで臨んでください。
暗さに慣れたとき、機体の灯火は驚くほど多くを教えてくれます。
当日は、深呼吸をひとつ。夜空の下でも、いつもどおりに。
あなたの限定解除を、心から応援しています。
参考(公式情報)
- 無人航空機操縦士試験案内サイト(指定試験機関:日本海事協会 ClassNK)
- 技能証明試験の種別・手数料
- ドローン国家資格 完全ガイド
- 一等無人航空機操縦士 学科試験 完全攻略
- 一等無人航空機操縦士 基本修了審査 完全攻略
- 一等無人航空機操縦士 目視内限定解除修了審査 完全攻略
- 二等無人航空機操縦士 昼間限定解除修了審査 完全攻略
- 登録講習機関の修了審査は、国土交通省・指定試験機関の実地試験実施細則に準拠
※本記事は2026年6月5日施行の実地試験実施細則(一等・IV章 昼間飛行の限定変更)および教則第4版に基づきます。制度・基準は改正されることがあるため、受験前に必ず所属の登録講習機関と公式サイトで最新情報をご確認ください。机上審査で使われる試験問題そのものは、取扱いの定めにより本記事には掲載していません。
最終更新:2026年6月



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