「一等(無人航空機操縦士)を取ると、二等と何が違うの?」――いちばんの違いは、レベル4飛行(有人地帯=第三者の上空での補助者なし目視外飛行)に道が開けることです。ただし一等は”何でも自由に飛ばせる免許”ではなく、厳格な条件と個別の許可・承認が前提になります。ここを正確に整理します。
前提:一等は「カテゴリーⅢ(レベル4)」の資格
飛行のリスクは高い順にカテゴリーⅢ・Ⅱ・Ⅰ。カテゴリーⅢは立入管理措置を講じないで行う特定飛行(=第三者の上空で飛ばす)で、その代表がレベル4飛行です。一等無人航空機操縦士は、このカテゴリーⅢ飛行に必要な技能を証明する最上位の国家資格です(二等はカテゴリーⅡが担当)。
一等でできること
① レベル4飛行(有人地帯の補助者なし目視外)に対応できる
第三者の上空を、補助者を置かずに目視外で飛行するレベル4は、二等ではできません。一等だけが対応できる領域です。市街地上空での本格的な物流・点検など、これまで不可能だった飛行の可能性が開けます。
② カテゴリーⅢ飛行(第三者上空の特定飛行)全般
立入管理措置を講じない特定飛行は、一等の担当範囲です。エリア単位でのカテゴリーⅢ飛行など、運用の枠組みも整備が進んでいます。
③ 二等の範囲(カテゴリーⅡ)も当然カバー
立入管理措置を講じたDID上空・夜間・目視外・30m未満(25kg未満)の”申請不要”飛行も、第一種機体認証を受けた機体で行えます。二等でできることは一等でもできます。
一等でできないこと・免除されないこと
① レベル4でも「申請不要」にはならない
二等のカテゴリーⅡと違い、カテゴリーⅢ(レベル4)は”許可・承認を受けた場合に限る”飛行です。資格を持っていても申請が省略されるわけではなく、むしろ飛行形態に応じたリスク評価に基づく厳格な審査を通す必要があります(申請先は国土交通大臣=本省宛)。
② 資格だけでは飛べない(第一種機体認証が必須)
レベル4は第一種機体認証を受けた機体でなければ実施できません。一等技能証明を取っても、対応機体がなければレベル4は飛ばせません。
③ 空域の制限は資格があっても残る
空港等周辺・地表/水面から150m以上・緊急用務空域などは、飛行禁止空域として別途の許可や事前調整が必要です。一等でもここは免除されません。
④ 限定変更をしていない飛行はできない
夜間飛行・目視外飛行・25kg以上は、技能証明の限定変更が済んでいないとそもそも実施できません(基本の限定は昼間・目視内・25kg未満)。
レベル4を実施するための条件
レベル4(カテゴリーⅢ)は、次をすべて満たして許可・承認を受けたときだけ実施できます。
- 一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が飛ばす
- 第一種機体認証を受けた機体である
- 飛行の形態に応じたリスク評価の結果に基づく飛行マニュアルを作成している
- 運航の管理が適切に行われていることを確認して許可・承認を受けている
- 夜間・目視外・25kg以上を含む場合は、対応する限定変更が済んでいる
◆今後の見通し:プロドローンが25kg超の大型機「PD6B-CAT3」で第一種型式認証を目指しており、すでに予約受付を開始しています。取得・販売の時期には諸説ありますが、早ければ2026年度内にも”実際に購入できる第一種認証機”の第一号が登場するのでは、との見方もあります(時期は未確定・正式決定ではありません)。動向は今後の公式発表にご注目を。
よくある誤解
「一等があれば何でも自由に飛ばせる」→ 誤解
一等はカテゴリーⅢまで”対応できる”資格ですが、レベル4は個別の許可・承認とリスク評価が前提。自由飛行の免許ではありません。空域の制限も残ります。
「資格を取れば運用義務はなくなる」→ 誤解
資格の有無に関係なく、特定飛行では飛行計画の通報と飛行日誌の作成が義務で、事故時の報告義務もあります。小型無人機等飛行禁止法や自治体の条例など、航空法以外のルールも別途確認が必要です。
二等との違い(比較表)
| 一等 | 二等 | |
|---|---|---|
| 担当カテゴリー | カテゴリーⅢ(+Ⅱ) | カテゴリーⅡ |
| レベル4飛行 (有人地帯の補助者なし目視外) |
できる(許可・承認を受けた場合) | できない |
| 第三者上空での特定飛行 | できる(立入管理措置なし=カテゴリーⅢ) | できない |
| 必要な機体認証 | 第一種 | 第二種 |
| 申請先 | 国土交通大臣(本省) | 地方航空局 |
「第三者の上空(レベル4)まで見据えるなら一等」「市街地・夜間・目視外あたりを楽に飛ばしたいなら二等で十分」という整理です。二等の範囲は 二等でできること・できないこと にまとめています。取り方や修了審査の中身は 一等 修了審査の攻略記事 や 国家資格の取り方ガイド をどうぞ。買ってから飛ばすまでの全体像は ドローン購入後の完全ロードマップ で確認できます。
本記事は執筆時点の情報に基づく解説です。カテゴリー区分・機体認証・技能証明の要件は改正され得るため、実際の運用は必ず国土交通省の飛行許可・承認手続ページおよび技能証明制度の公式案内でご確認ください。
登録講習機関講師 フライトデスク 監修



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