二等無人航空機操縦士 目視内限定解除修了審査 完全攻略【2026年6月版】

二等無人航空機操縦士 目視内限定解除修了審査 完全攻略のアイキャッチ ドローン国家資格

ドローンの国家資格「二等無人航空機操縦士」。

その技能証明には、取得時に「目視内飛行に限る」という限定が付いています。

この限定を外すのが「目視内飛行の限定変更」、いわゆる目視内限定解除です。

解除されると、立入管理措置を講じた上での目視外飛行(カテゴリーII)に対応できます。

物流・点検・測量など、モニター越しに飛ばす実務の多くで求められる資格です。

登録講習機関の修了審査に合格すれば、指定試験機関の実地試験が免除されます。

この記事は、その修了審査を一本で攻略しきるための決定版です。

最大の特徴は、機体に背を向けて、カメラ映像だけで飛ばすこと。

基本修了審査とは別物の準備が必要です。違いから減点の境目まで、踏み込んで解説します。

なお内容は2026年6月5日施行の実地試験実施細則(改正版)に対応しています。

※この記事は審査の流れと要点の解説です。机上審査で使われる試験問題そのものは掲載していません。


まず結論:目視内限定解除修了審査の基本データ

迷ったらここだけ覚えてください。

項目 内容
対象 二等・目視内飛行の限定変更(回転翼マルチローター)
確認する能力 立入管理措置を講じた目視外飛行を安全に行う知識・能力
採点方式 100点持ち点からの減点式
合格基準 70点以上(各試験科目の終了時点)
実技科目 スクエア飛行(GNSS ON・9分)/異常事態における飛行(GNSS OFF・5分)
実技の条件 機体に背を向け、カメラ画像のみで操縦
机上審査 4問・各5点・5分(飛行計画の作成)
口述審査 飛行前点検・飛行後点検・記録(事故・重大インシデントの口述はなし)
準拠する細則 実地試験実施細則(2026年6月5日施行)
準拠する教則 飛行の安全に関する教則 第4版

合格ラインは基本と同じ70点。許される減点は30点までです。

実技は3科目ではなく2科目。しかもどちらも飛行モードは基本より素直です。

そのかわり、「機体が見えない」という壁がすべての科目にかかります。


1. 目視内限定解除とは何か

技能証明を最初に取ると、「目視内飛行に限る」という限定が付きます。

このままでは、機体を直接見ずにモニターだけで飛ばす目視外飛行はできません。

限定変更の講習を受け、修了審査に合格すると、この限定が外れます。

二等の目視内限定解除で対応できるのは、立入管理措置を講じた目視外飛行、つまりカテゴリーIIの目視外です。

無人地帯の補助者なし目視外(レベル3)など、物流・点検・広域測量の現場で使われる飛行の形です。

つまりこの審査は「画面越しでも、目視と同じ水準で安全を保てるか」を見る試験です。

審査は基本と同様、机上・口述・実技を同じ日に完結させます。

2. 基本修了審査との違い(最初に頭を切り替える)

基本に受かった人ほど、ここで頭の切り替えが必要です。

違いを表にまとめます。

項目 二等基本 二等目視内限定解除
見る対象 機体そのもの(目視) カメラ映像のみ(機体に背を向ける)
実技科目数 3科目 2科目
スクエア飛行 GNSS ON・8分 GNSS ON・9分
8の字飛行 あり(ON・1.5m・連続2周) なし
異常事態の内容 ATTIで直線往復→緊急着陸(6分) ATTIで10秒ホバリング(5分)
飛行高度 スクエア3.5m/8の字1.5m 全科目3.5m
机上審査の題材 昼間・目視内の飛行計画 目視外の飛行計画
口述(事故等) あり なし
固有の一発不合格 指示なく機体を見たら不正行為

注目してほしいのは、スクエアがGNSS ON・高度3.5m一定のままという点です。

飛ばす内容そのものは、基本のスクエアとほぼ同じ。機体は止まってくれます。

難しさは「見えないこと」に集約されます。

ちなみに一等の目視内限定解除は、高度変化付きスクエアに緊急着陸まで加わり、合格ラインも80点です。

二等はそこまで求められません。「見えない状態に慣れること」に集中できます。

最重要:勝手に機体を見たら、その時点で不合格

目視外飛行中に、試験員の指示がないのに機体を視認すると、不正行為として一発不合格です(細則の減点適用基準に明記)。

機体がふらつくと、つい振り返りたくなります。その一瞬が命取りです。

3. 当日の流れ(全体像)

進行の順番は決まっています。

  1. 冒頭宣言 … 試験員が一発不合格の条件を告げます。
  2. 机上審査 … 目視外の模擬飛行計画について答えます。
  3. 口述(飛行前点検) … 機体を声に出して点検します。カメラの点検が加わります。
  4. 実技審査 … 2科目を飛ばします。
  5. 口述(飛行後点検・飛行記録) … 点検と記録の記入を口述します。

基本にあった「事故・重大インシデント」の口述は、限定変更にはありません。

その分、覚える知識は減りますが、実技の配点リスクは凝縮されます。

4. 合格基準と採点のしくみ

採点は「100点の持ち点から引いていく」減点方式です。

二等は70点以上で合格です。(一等は80点以上)

許される減点は30点まで。5点減点が6回でアウト、という感覚です。

減点の3段階

一発不合格(即終了)

航空法等の違反、危険な飛行(概ね5m/s以上の速度を含む)、墜落・損傷・制御不能、不合格区画への進入、制限時間超過、試験員の操作介入、不正行為。

そして目視内限定解除に固有の項目として、指示なく目視外飛行中に機体を視認したとき

5点減点

飛行経路の逸脱、指示と異なる飛行、離着陸不良、監視不足、安全確認不足。

目視外では「カメラ画像を注視していない」が監視不足、「カメラで移動先と周囲の安全を確認しないまま移動」が安全確認不足です。

1点減点

ふらつき、動きの不円滑、機首方向の不良。

区画の考え方

コースには2種類の「枠」があります。基本と同じです。

減点区画 … 飛行経路から1.5m離れたライン。ここに機体が半分以上入ると5点減点。

不合格区画 … 経路から2.5m離れたライン。ここに機体が半分以上入ると一発不合格。

減点区画の救済も同じです。飛行区画(区間)ごとの初回進入は、試験員の通知後おおむね2秒以内に経路へ戻れば減点なし。

ただし目視内限定解除では、区画の適用に科目固有の例外があります。

  • スクエアの離着陸地点⇄A地点の移動中は、減点区画が無効
  • 異常事態の目視外ホバリング中は、不合格区画が設定されない

どこで気を張り、どこで落ち着いてよいか。これを知っているだけで余裕が変わります。

5. 机上試験の攻略

二等の机上は 4問・各5点・制限時間5分 です。

出題の型は基本と同じ「飛行計画の作成」ですが、題材が変わります。

立入管理措置を講じた目視外飛行の模擬飛行計画が提示され、計画作成で留意すべき事項を答えます。

細則が挙げる留意事項の例は、次の4つの系統です。

  1. 航空法等の法令遵守 … 目視外飛行(特定飛行)の許可・承認、飛行通報など。
  2. 安全確保措置 … 立入管理措置、第三者・物件への安全、運航体制。
  3. 機体の仕様・限界事項 … 最大風速・飛行時間・電波到達距離などの限界値。
  4. 自動飛行機能の設定 … 自動飛行する経路の設定、フェールセーフ(危機回避機能)の設定。

4つ目は重要です。自動操縦の技能は実機では試験されず、この机上だけで問われます(細則に明記)。

フェールセーフの種類と挙動(電波断・バッテリー低下時のRTH等)は、確実に整理しておきましょう。

試験問題そのものは持出厳禁の管理物です。この記事では具体的な問題文や正答は載せません。

攻略の型

まず法令(目視外の許可承認・立入管理措置)を確認する。

次に機体の限界値と気象・経路を突き合わせる。

最後に自動飛行経路とフェールセーフ設定が計画に合っているか確認する。

制限時間は5分。1問あたり1分強しかないので、迷った問題は飛ばして戻るのが鉄則です。

6. 口述(飛行前点検)の攻略

制限時間:飛行空域等の確認 3分/作動前点検+作動点検 あわせて12分

ここは満点を取りに行く場所です。

流れと減点表は基本と共通ですが、目視内限定解除ではカメラが「該当」になります。

飛行前点検の減点表

減点細目 減点 内容
点検漏れ 10点 実技に必要な点検を一つでも行わなかったとき
日常点検記録の記載漏れ・誤り 5点 様式の記載項目を一つでも書かない、または誤り
日常点検記録の軽微な誤り 1点 記入方法に従わず、点検日時・場所等を誤記
航空法等の違反 不合格 アルコール・薬物の影響、機体の未登録、登録記号の未表示、必要な許可承認・技能証明/機体認証なし
危険な操作 不合格 安全を確保せず推進系統を作動させて点検した、など
不正行為 不合格 助言・補助を受けた、円滑な実施を妨げた

複数ミスでも最も重い1つだけが適用される、制限時間切れは「やらなかった」扱い、受験者に起因しない事由は減点しない。

この3つのルールも基本と同じです。

カメラの点検が「本番」になる

基本飛行では、カメラは「非該当です」と言う対象でした。

目視内限定解除では逆です。カメラはこの審査の生命線。

外観点検に加えて、映像のチラツキや鮮明度、カメラの動作(ジンバル操作)まで作動点検で確認します。

細則の作動点検例にも「機体に搭載したカメラの画像及び挙動に異常はないか」が明記されています。

一方、灯火は引き続き非該当です。黙って飛ばさず、「非該当です」と口に出し、備考にも記載します。

点検は「順番を体で覚える」

操縦装置・機体全般・プロペラ・フレーム・機体識別表示・灯火(非該当)・カメラ。

電源系・操縦装置・リモートID・カメラ映像・通信系・推進系・自動制御系・操縦系。

この流れを、よどみなく言い切れるまで反復してください。モーターを回す前の周囲安全確認の声出しも忘れずに。

7. 実技の攻略(目視内限定解除の2科目)

ここが本記事の核心です。

実技は2科目。どちらも機体に背を向け、カメラ映像のみで飛ばします。

離陸など一部の工程は目視内で行い、試験員の指示で「機体が見えない状態」に切り替わります。

一度切り替わったら、指示があるまで機体を見てはいけません。見たら不正行為で終了です。

記入面では、登録記号の記載忘れが定番のミスです。

部位の点検に集中するあまり、欄が抜けがちです。意識して先に埋めましょう。

時間を先取りするコツ

最後に行う飛行後点検・飛行記録は、あわせて5分と時間がかなり短い。

そこで飛行前のこの段階で、実施場所・実施年月日・実施者まで記載しておくと、後半に余裕が生まれます。

※先に記入してよいかは、試験員に必ず確認してください。

2科目共通の「画面越し」の感覚

モニター越しの操縦には、目視と違う3つの壁があります。

① 視野が狭い。カメラに写っている範囲しか分かりません。機体の真横や後ろは見えない。

② 距離感がつかみにくい。画面の中の目標物の大きさで距離を測る感覚が要ります。

③ 自分基準の前後左右が消える。機体に背を向けるので、頼れるのは機首基準(画面基準)の感覚だけです。

逆に言えば、画面基準で操縦できる人にとっては、対面ホバリングより素直です。

スティックは常に「画面の奥が前」。この感覚を講習中に体へ入れてください。


7-1. スクエア飛行(目視外)

GNSS ON/高度 3.5m一定/制限9分

四角形(スクエア)の経路を、カメラ映像だけで一周する科目です。

基本のスクエアと同じコース形状を、GNSS ON・高度3.5m一定で飛びます。

一等のような高度変化はありません。高さは最初から最後まで3.5mです。

コースの点配置(上から見た図)。

  • H:離着陸地点(中央)。
  • A:下辺の中央(Hのすぐ手前)。
  • B:右下の角
  • C:右上の角
  • D:左上の角
  • E:左下の角
スクエア飛行(目視外)の飛行経路(上から見た図)
上から見た飛行経路図。経路から1.5m外側が減点区画、2.5m外側が不合格区画です(減点区画の外枠は横18m×縦10m)。太い矢印が進行方向(H→A→B→C→D→E→A→H)。高度は全区間3.5mで一定。受験者は機体に背を向けて立ちます(立ち位置は経路から8.5m)。なお離着陸地点(H)⇄A地点の移動中は減点区画が無効です。

移動順。

H(離陸)→ A → B → C → D → E → A → H(着陸)。コースの回り方は基本と同じです。

具体的には、こう進みます。

  1. Hで、機体が見える状態のまま機首を前方に向けて離陸。高度3.5mまで上昇し、5秒間ホバリング
  2. 試験員の指示で、機体に背を向けてカメラ映像のみの状態に切り替える。
  3. 以後は試験員の口頭指示に従い、各区間を1本ずつ進む。「旋回で機首を次の地点に向ける → カメラで到達地点の安全を確認 → 前進 → 到達を報告」の繰り返し。
  4. A→B→C→D→E→Aと、高度3.5mのまま四角形を一周する。
  5. 最後にA地点から着陸地点へ進み、着陸地点と周囲の安全を確認して、機体を見ない状態のまま着陸

機首は常に進行方向。各コーナーで旋回し、画面の中に次の目標を捉えてから前進します。

狙われる減点ポイント。

安全確認不足5点。カメラで移動先と周囲を確認しないまま動き出すと取られます。確認は声に出して伝えないと「確認していない」とみなされます。

監視不足5点。目視外飛行中にカメラ画像から目を離すと取られます。

指示と異なる飛行5点。指示を受ける前に動き出す「フライング」も該当します。

経路逸脱5点。旋回の角度がずれたまま前進すると、直線がそのまま斜めにずれていきます。

機首方向の不良1点。旋回の止め位置が甘いと、ここから積み重なります。

着陸まで「目視外」が続く

この科目は、着陸も機体を見ないまま行います。最後の最後で振り返れば不正行為です。

着陸前の「着陸地点ヨシ」「周囲の安全ヨシ」を声に出してから、画面だけでゆっくり降ろしてください。

ここで差がつくアドバイス

GNSSが効いているので、止まることに労力は要りません。勝負は旋回の精度です。

旋回したら、すぐ進まない。画面中央に次の目標物(パイロン等)が来ているかを確認してから前進する。

距離感は「目標物の大きさ」で測ります。練習中に「この大きさに見えたら到達」という基準を作っておくと強いです。

そして口数を多く。「経路ヨシ、到達地点ヨシ」「前進します」「到達しました」。声が、減点を防ぐ最大の武器です。


7-2. 異常事態における飛行(目視外)

GNSS OFF(ATTI)/高度 3.5m/制限5分

位置安定機能に不具合が出た想定で、機能が回復するまでホバリングで持ちこたえる科目です。

ATTIかつ画面のみ。この審査の最難関と考えてください。

ただし二等は、一等のような緊急着陸地点への移動はありません。

求められるのは「その場で10秒、見えないままホバリングする」こと。それだけです。

異常事態における飛行の飛行領域(目視外でのホバリング時・上から見た図)
上から見た飛行領域図(目視外でのホバリング時)。H(直径2m)の真上、高度3.5mで10秒間ホバリングします。白い円は直径5m(H中心から半径2.5m)で、その外側はすべて減点区画このホバリング中、不合格区画は設定されません。受験者はHから6.5mの位置で機体に背を向けて立ちます。

手順。工程は短いので、流れごと暗記してください。

  1. Hで、機体が見える状態のまま機首を前方に向けて離陸。高度3.5mまで上昇し、ホバリング。
  2. ホバリングしたまま、離陸地点が映像で見えるようにカメラを操作(真下方向へ向ける)。このホバリングは経路逸脱の減点対象になりません。
  3. カメラ操作の完了を試験員に報告する。
  4. 試験員の指示で、機体に背を向けてカメラ映像のみの状態に切り替える。
  5. 10秒間、目視外でホバリング。試験員がカウントします。
  6. 試験員の指示で、機体が見える状態に戻る
  7. 着陸地点と周囲の安全を確認し、目視内で着陸

着陸は目視内に戻ってから。ここがスクエアとの大きな違いです。

戻るタイミングも自分では決めません。「戻ってください」の指示を待ってからです。

狙われる減点ポイント。

ホバリング中の位置ずれ。ATTIなので機体は流れます。10秒ホバ中にH中心から半径2.5mを超えると減点区画です(不合格区画はなし)。

ふらつき・不円滑各1点。ATTIの細かい揺れが積み重なります。

安全確認不足5点。着陸前の「着陸地点ヨシ」を声に出さなければ「やっていない」扱いです。

離着陸不良5点。気が緩む最後の接地で、ドンと降ろさないこと。

指示と異なる飛行5点。指示前に振り返る・降ろし始めるなどのフライングです。

10秒ホバは「真下の画像」で止める

カメラは真下を向いています。画面の中の離陸地点(H)が、唯一の位置基準です。

Hが画面の中心からどちらに動いたかを見て、逆方向に小さく当て舵。「直す」より「崩さない」が鉄則です。

ATTIでは風に流され続けます。当て舵を打ち続けて、画面中央にHを留めてください。

ここで差がつくアドバイス

10秒は長く感じます。でも、許容半径は2.5m。慌てて大きく直すほうが危険です。

舵は小刻みに、ワンテンポ早く。画面の中のHの「動き出し」を見たら、その瞬間に逆を当てます。

基本の異常事態でATTIは経験済みのはず。違いは「見えない」ことだけです。画面を信じてください。

ちなみに私も講師として見ていますが、この審査は「操作」より「手順と声」で落とす人が圧倒的に多いです。

実技全体を貫く3つのコツ

① 機体を見ない。不安になっても振り返らない。指示なき視認は不正行為で即終了です。

② 確認はすべて声に出す。カメラで見ただけでは伝わりません。「経路ヨシ」「着陸地点ヨシ」を必ず言葉に。

③ 指示を待ってから動く。指示の前に動けば5点。工程の多い審査ほど、フライングが起きます。

8. 口述(飛行後点検・飛行記録)の攻略

制限時間:飛行後点検+飛行後の記録 あわせて5分

飛行のあとにも口述があります。ここも取りこぼしやすい場所です。

飛行後の「機体の点検」と「飛行記録の記入」の2つを確認されます。

「あわせて5分」は、やってみるとかなり短い時間です。

鍵は、飛行後点検の流れを考えずに行えるか。次の順番を体に入れておきます。

  1. 機体の電源OFF → 操縦装置の電源OFF
  2. 機器の取り付け状況の確認
  3. プロペラ・フレーム・識別表示の外観点検
  4. 発熱・ゴミの付着の確認

日常点検記録への記載は、異常なしならチェック一つで済むので心配いりません。

飛行後点検・記録の減点表

減点細目 減点 内容
飛行記録の記載漏れ・誤り 10点 飛行日誌の様式で、記載項目を一つでも書かない/飛行時間の計算に誤り
点検漏れ 5点 飛行後の状態確認に必要な点検を一つでも行わなかった
日常点検記録の記載漏れ・誤り 5点 様式の記載項目を一つでも書かない、または誤り
飛行記録の軽微な誤り 1点 飛行年月日・離着陸場所等の誤記
日常点検記録の軽微な誤り 1点 点検日時・場所等の誤記
不正行為 不合格 助言・補助を受けた、円滑な実施を妨げた

いちばん重いのは、飛行記録のミスの10点。点検(5点)より記録(10点)のほうが重い、と覚えてください。

そして基本と同じく、点検系と記録系は別カウントです。両方でミスすれば最大15点まで引かれ得ます。

記録で間違えやすい点

飛行記録の年月日は西暦で記入します。和暦は誤りに取られます。

実技は2科目ですが、審査中にバッテリーの交換が行われなければ1フライトとして数えてよいことになっています。離着陸時刻は試験員から提供されるので、飛行時間の計算ミスに注意。

計算ミスは「記載漏れ・誤り」と同じ10点です。必ず検算しましょう。

登録記号の記載漏れも定番のミスです。様式の上から順に、一つも飛ばさず埋めてください。

なお、飛行前点検ですでに減点された記載ミスは、飛行後で二重に減点されません。

飛行記録の記入はここに注意

1フライトにまとめる場合、記入は登録記号・飛行年月日・氏名・飛行概要「二等目視内」で足ります。

離陸場所は迷わないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。

複数バッテリーのフライトに分かれた場合は、総飛行時間の計算を間違えないこと。

※1フライトとして扱えるかは、試験員に必ず確認してください。

9. 2026年6月5日改正で押さえる点

改正の全体像は一等基本修了審査の記事で解説したとおりですが、二等の目視内限定解除に効く点を挙げます。

保護具の着用が義務化されました。ヘルメットに加えて保護メガネも必須です。眼鏡は保護メガネの代わりにならないため、眼鏡の上から装着します。モニターの見え方が変わるので、審査前に必ず慣れておいてください。

経路逸脱の復帰が「おおむね2秒以内」に明確化されました。逸脱の通知は試験員が行います。

試験の同日完了が明文化されました。机上から口述まで同じ日に行います。

受験者補助員の制度が新設されました(直近2年で6か月以上かつ50時間以上の飛行実績が要件)。

風速の基準が「以下」から「未満」に変わりました。また二等では、風の影響がない屋内の試験では風速計測が不要になる除外規定が新設されています。

10. 当日チェックリスト

最後に、忘れがちな項目をまとめます。

  • 保護メガネ越しのモニターの見え方に慣れたか
  • 点検でカメラの映像・動作まで確認したか(灯火は「非該当です」)
  • 目視外への切り替え後、機体を見ない意識を保てているか
  • 移動前の「到達地点ヨシ」、着陸前の「着陸地点ヨシ」を声に出したか
  • 旋回後、画面中央に次の目標を捉えてから前進したか
  • スクエアは着陸まで目視外。最後まで振り返らない覚悟はあるか
  • 10秒ホバは真下画像のHを基準に当て舵を打てるか
  • 異常事態の着陸は「見える状態に戻る指示」を待ってからか
  • 飛行記録は西暦・2フライト分・飛行時間の検算をしたか

余裕は30点。でも5点減点なら6回しかありません。

「知っているだけで防げるミス」から潰していきましょう。

11. さいごに——登録講習機関の講師から

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

目視内限定解除の審査で、受講生を見ていて感じることがあります。

落ちる原因は、操縦技術よりも「目視の癖」です。

不安になると機体を見たくなる。確認を頭の中で済ませてしまう。指示の前に動いてしまう。

全部、目視内飛行で身についた癖です。この審査は、その癖を画面基準の習慣に置き換えられたかを見ています。

練習のときから、「見ない・声に出す・待つ」。この3つを徹底してください。

幸い、二等の科目構成は素直です。スクエアはGNSSが効き、異常事態は10秒のホバリングだけ。

基本を乗り越えたあなたなら、操作自体には余裕があるはずです。

その余裕を、手順と声に全部使ってください。

一発不合格の項目——特に「機体を見ない」——だけは、絶対にやらない。それを守れば道は残ります。

当日は、深呼吸をひとつ。画面の向こうの機体を、いつもどおりに。

あなたの限定解除を、心から応援しています。


参考(公式情報)

※本記事は2026年6月5日施行の実地試験実施細則(二等・V章 目視内飛行の限定変更)および教則第4版に基づきます。制度・基準は改正されることがあるため、受験前に必ず所属の登録講習機関と公式サイトで最新情報をご確認ください。机上審査で使われる試験問題そのものは、取扱いの定めにより本記事には掲載していません。

最終更新:2026年6月

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