ドローンの国家資格の最上位、一等無人航空機操縦士。
その技能証明には、取得時に「目視内飛行に限る」という限定が付いています。
この限定を外すのが「目視内飛行の限定変更」、いわゆる目視内限定解除です。
一等の目視内限定解除は、立入管理措置を講じない目視外飛行、つまりカテゴリーIIIの目視外に対応する重い資格です。
登録講習機関の修了審査に合格すれば、指定試験機関の実地試験が免除されます。
この記事は、その修了審査を一本で攻略しきるための決定版です。
最大の特徴は、機体に背を向けて、カメラ映像だけで飛ばすこと。
基本修了審査とは別物の準備が必要です。違いから減点の境目まで、踏み込んで解説します。
なお内容は2026年6月5日施行の実地試験実施細則(改正版)に対応しています。
※この記事は審査の流れと要点の解説です。机上審査で使われる試験問題そのものは掲載していません。
まず結論:目視内限定解除修了審査の基本データ
迷ったらここだけ覚えてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 一等・目視内飛行の限定変更(回転翼マルチローター) |
| 確認する能力 | 立入管理措置なしの目視外飛行を安全に行う知識・能力 |
| 採点方式 | 100点持ち点からの減点式 |
| 合格基準 | 80点以上(各試験科目の終了時点) |
| 実技科目 | 高度変化スクエア(GNSS ON・9分)/異常事態における飛行(GNSS OFF・5分) |
| 実技の条件 | 機体に背を向け、カメラ画像のみで操縦 |
| 机上審査 | 5問・各5点・10分(飛行計画の作成) |
| 口述審査 | 飛行前点検・飛行後点検・記録(事故・重大インシデントの口述はなし) |
| 準拠する細則 | 実地試験実施細則(2026年6月5日施行) |
| 準拠する教則 | 飛行の安全に関する教則 第4版 |
合格ラインは基本と同じ80点。許される減点は20点までです。
実技は3科目ではなく2科目。そのかわり1科目あたりの密度が濃くなっています。
1. 目視内限定解除とは何か
技能証明を最初に取ると、「目視内飛行に限る」という限定が付きます。
このままでは、機体やモニターだけを見て飛ばす目視外飛行はできません。
限定変更の講習を受け、修了審査に合格すると、この限定が外れます。
一等で目視内限定を解除する意味は大きく、立入管理措置を講じないカテゴリーIIIの目視外飛行に道が開けます。
レベル3.5/レベル4といった、補助者なし・無人地帯〜有人地帯の目視外飛行を担う操縦者の証明です。
つまりこの審査は「画面越しでも、目視と同じ水準で安全を保てるか」を見る試験です。
審査は基本と同様、机上・口述・実技を同じ日に完結させます。
2. 基本修了審査との違い(最初に頭を切り替える)
基本に受かった人ほど、ここで頭の切り替えが必要です。
違いを表にまとめます。
| 項目 | 一等基本 | 一等目視内限定解除 |
|---|---|---|
| 見る対象 | 機体そのもの(目視) | カメラ映像のみ(機体に背を向ける) |
| 実技科目数 | 3科目 | 2科目 |
| スクエアの飛行モード | GNSS OFF(ATTI) | GNSS ON |
| 異常事態の飛行モード | ―(8の字で緊急着陸) | GNSS OFF(ATTI) |
| スクエアの高度 | 1.5m⇄3.5m | 2.5m⇄3.5m |
| 机上審査の型 | 飛行シナリオのリスク判断 | 飛行計画の作成の留意事項 |
| 口述(事故等) | あり | なし |
| 固有の一発不合格 | ― | 指示なく機体を見たら不正行為 |
注目はスクエアのGNSS ONです。
基本で苦しんだATTIの「止める技術」は、スクエアでは要りません。
機体は止まってくれます。難しさは「見えないこと」に集約されます。
一方、異常事態における飛行はATTIかつ画面のみ。ここが本審査の最難関です。
機体がふらつくと、つい振り返りたくなります。その一瞬が命取りです。
3. 当日の流れ(全体像)
進行の順番は決まっています。
- 冒頭宣言 … 試験員が一発不合格の条件を告げます。
- 机上審査 … 目視外の模擬飛行計画について答えます。
- 口述(飛行前点検) … 機体を声に出して点検します。カメラの点検が加わります。
- 実技審査 … 2科目を飛ばします。
- 口述(飛行後点検・飛行記録) … 点検と記録の記入を口述します。
基本にあった「事故・重大インシデント」の口述は、限定変更にはありません。
その分、覚える知識は減りますが、実技の配点リスクは凝縮されます。
4. 合格基準と採点のしくみ
採点は「100点の持ち点から引いていく」減点方式です。
一等は80点以上で合格です。(二等は70点以上)
許される減点は20点まで。5点減点が4回でアウト、という感覚です。
減点の3段階
そして目視内限定解除に固有の項目として、指示なく目視外飛行中に機体を視認したとき。
目視外では「カメラ画像を注視していない」が監視不足、「カメラで移動先と周囲の安全を確認しないまま移動」が安全確認不足です。
区画の考え方
コースには2種類の「枠」があります。基本と同じです。
減点区画 … 飛行経路から1.5m離れたライン。ここに機体が半分以上入ると5点減点。
不合格区画 … 経路から2.5m離れたライン。ここに機体が半分以上入ると一発不合格。
減点区画の救済も同じです。飛行区画(区間)ごとの初回進入は、試験員の通知後おおむね2秒以内に経路へ戻れば減点なし。
ただし目視内限定解除では、区画の適用に科目固有の例外があります。
- スクエアのA地点→離着陸地点の移動中は、減点区画が無効。
- 異常事態の目視外ホバリング中は、不合格区画が設定されない。
どこで気を張り、どこで落ち着いてよいか。これを知っているだけで余裕が変わります。
5. 机上試験の攻略
限定変更の机上は 5問・各5点・制限時間10分 です。
基本との違いは出題の型です。リスク判断ではなく、「飛行計画の作成」が問われます。
立入管理措置を講じない目視外飛行の模擬飛行計画が提示され、計画作成で留意すべき事項を答えます。
細則が挙げる留意事項の例は、次の4つの系統です。
- 航空法等の法令遵守 … カテゴリーIII飛行の要件、許可・承認、機体認証など。
- 安全確保措置 … 第三者・物件への安全、運航体制。
- 機体の仕様・限界事項 … 最大風速・飛行時間・電波到達距離などの限界値。
- 自動飛行機能の設定 … 自動飛行する経路の設定、フェールセーフ(危機回避機能)の設定。
4つ目は重要です。自動操縦の技能は実機では試験されず、この机上だけで問われます(細則に明記)。
フェールセーフの種類と挙動(電波断・バッテリー低下時のRTH等)は、確実に整理しておきましょう。
試験問題そのものは持出厳禁の管理物です。この記事では具体的な問題文や正答は載せません。
次に機体の限界値と気象・経路を突き合わせる。
最後に自動飛行経路とフェールセーフ設定が計画に合っているか確認する。
6. 口述(飛行前点検)の攻略
ここは満点を取りに行く場所です。
流れと減点表は基本と共通ですが、目視内限定解除ではカメラが「該当」になります。
飛行前点検の減点表
| 減点細目 | 減点 | 内容 |
|---|---|---|
| 点検漏れ | 10点 | 実技に必要な点検を一つでも行わなかったとき |
| 日常点検記録の記載漏れ・誤り | 5点 | 様式の記載項目を一つでも書かない、または誤り |
| 日常点検記録の軽微な誤り | 1点 | 記入方法に従わず、点検日時・場所等を誤記 |
| 航空法等の違反 | 不合格 | アルコール・薬物の影響、機体の未登録、登録記号の未表示、必要な許可承認・技能証明/機体認証なし |
| 危険な操作 | 不合格 | 安全を確保せず推進系統を作動させて点検した、など |
| 不正行為 | 不合格 | 助言・補助を受けた、円滑な実施を妨げた |
複数ミスでも最も重い1つだけが適用される、制限時間切れは「やらなかった」扱い、受験者に起因しない事由は減点しない。
この3つのルールも基本と同じです。
カメラの点検が「本番」になる
基本飛行では、カメラは「非該当です」と言う対象でした。
目視内限定解除では逆です。カメラはこの審査の生命線。
外観点検に加えて、映像のチラツキや鮮明度、カメラの動作(ジンバル操作)まで作動点検で確認します。
細則の作動点検例にも「機体に搭載したカメラの画像及び挙動に異常はないか」が明記されています。
一方、灯火は引き続き非該当です。黙って飛ばさず、「非該当です」と口に出し、備考にも記載します。
電源系・操縦装置・リモートID・カメラ映像・通信系・推進系・自動制御系・操縦系。
この流れを、よどみなく言い切れるまで反復してください。モーターを回す前の周囲安全確認の声出しも忘れずに。
7. 実技の攻略(目視内限定解除の2科目)
ここが本記事の核心です。
実技は2科目。どちらも機体に背を向け、カメラ映像のみで飛ばします。
離陸など一部の工程は目視内で行い、試験員の指示で「機体が見えない状態」に切り替わります。
一度切り替わったら、指示があるまで機体を見てはいけません。見たら不正行為で終了です。
記入面では、登録記号の記載忘れが定番のミスです。部位の点検に集中するあまり、欄が抜けがちです。
そこで飛行前のこの段階で、実施場所・実施年月日・実施者まで記載しておくと、後半に余裕が生まれます。
※先に記入してよいかは、試験員に必ず確認してください。
2科目共通の「画面越し」の感覚
モニター越しの操縦には、目視と違う3つの壁があります。
① 視野が狭い。カメラに写っている範囲しか分かりません。機体の真横や後ろは見えない。
② 距離感がつかみにくい。画面の中の目標物の大きさで距離を測る感覚が要ります。
③ 自分基準の前後左右が消える。機体に背を向けるので、頼れるのは機首基準(画面基準)の感覚だけです。
逆に言えば、画面基準で操縦できる人にとっては、対面ホバリングより素直です。
スティックは常に「画面の奥が前」。この感覚を講習中に体へ入れてください。
7-1. 高度変化を伴うスクエア飛行(目視外)
四角形(スクエア)の経路を、カメラ映像だけで一周する科目です。
基本のスクエアと同じコース形状ですが、GNSS ON・基準高度2.5mで飛びます。
コースの点配置(上から見た図)。
- H:離着陸地点(中央)。高度2.5m。
- A:下辺の中央(Hのすぐ手前)。高度2.5m。
- B:右下の角(高度2.5m)
- C:右上の角(高度3.5m)
- D:左上の角(高度3.5m)
- E:左下の角(高度2.5m)
H→A→B→C→D→E→A→H)。右辺B→Cで2.5m→3.5mへ上昇、左辺D→Eで3.5m→2.5mへ下降します。受験者は機体に背を向けて立ちます(立ち位置は経路から8.5m)。なおA地点から離着陸地点(H)への移動中は減点区画が無効です。移動順。
H(離陸)→ A → B → C → D → E → A → H(着陸)。コースの回り方は基本と同じです。
具体的には、こう進みます。
- Hで、機体が見える状態のまま機首を前方に向けて離陸。高度2.5mまで上昇し、5秒間ホバリング。
- 試験員の指示で、機体に背を向けてカメラ映像のみの状態に切り替える。
- 以後は試験員の口頭指示に従い、各区間を1本ずつ進む。「旋回で機首を次の地点に向ける → カメラで到達地点の安全を確認 → 前進 → 到達を報告」の繰り返し。
- B→C(右辺)は2.5m→3.5mへ上昇しながら前進。
- C→D(上辺)は高度3.5mのまま。
- D→E(左辺)は3.5m→2.5mへ下降しながら前進。
- E→A→着陸地点と戻り、着陸地点と周囲の安全を確認して着陸。
機首は常に進行方向。各コーナーで旋回し、画面の中に次の目標を捉えてから前進します。
狙われる減点ポイント。
安全確認不足5点。カメラで移動先と周囲を確認しないまま動き出すと取られます。確認は声に出して伝えないと「確認していない」とみなされます。
監視不足5点。目視外飛行中にカメラ画像から目を離すと取られます。
指示と異なる飛行5点。指示を受ける前に動き出す「フライング」も該当します。
経路逸脱5点。旋回の角度がずれたまま前進すると、直線がそのまま斜めにずれていきます。
高度の急変化1点・指示と明らかに異なる高度5点。高度変化区間のラフさも見られています。
進む距離に対して高度を均等に配り、一定の割合で変化させながら移動しましょう。
旋回したら、すぐ進まない。画面中央に次の目標物(パイロン等)が来ているかを確認してから前進する。
距離感は「目標物の大きさ」で測ります。練習中に「この大きさに見えたら到達」という基準を作っておくと強いです。
そして口数を多く。「経路ヨシ、到達地点ヨシ」「前進します」「到達しました」。声が、減点を防ぐ最大の武器です。
7-2. 異常事態における飛行(目視外)
緊急事態の発生を想定し、カメラ映像だけで緊急着陸地点へ降ろす科目です。
ATTIかつ画面のみ。この審査の最難関と考えてください。
移動順(手順)。工程が多いので、流れごと暗記してください。
- Hで、機体が見える状態のまま機首を前方に向けて離陸。高度3.5mまで上昇し、ホバリング。
- ホバリングしたまま、離着陸地点が映像で見えるようにカメラを操作(真下方向へ向ける)。このホバリングは経路逸脱の減点対象になりません。
- カメラ操作の完了を試験員に報告する。
- 試験員の指示で、機体に背を向けてカメラ映像のみの状態に切り替える。
- 10秒間、目視外でホバリング。試験員がカウントします。
- 試験員から緊急事態発生の宣言と、左右どちらかの緊急着陸地点の指定。
- 指定された着陸地点をカメラで確認し、そこまでの経路に障害物がないことを確認した上で移動。
- 移動完了後、着陸地点に障害物がないことを確認し、機体を見ない状態で着陸。
確認→移動→確認→着陸。「確認」を飛ばした瞬間に5点が飛ぶ構造です。
狙われる減点ポイント。
安全確認不足5点。経路の確認、着陸地点の確認。どちらも声に出して伝えなければ「やっていない」扱いです。
ホバリング中の位置ずれ。ATTIなので機体は流れます。10秒ホバ中にH中心から半径2.5mを超えると減点区画です(不合格区画はなし)。
ふらつき・不円滑各1点。ATTIの細かい揺れが積み重なります。
離着陸不良5点。画面だけの着陸は高さの感覚が狂いやすく、最後にドンと降ろしがちです。
Hが画面の中心からどちらに動いたかを見て、逆方向に小さく当て舵。「直す」より「崩さない」が鉄則です。
ATTIでは風に流され続けます。当て舵を打ち続けて、画面中央にHを留めてください。
真下カメラでの移動は、画面に「進んだ分だけ地面が流れる」感覚です。着陸地点が画面に入ってきたら早めに減速。
着陸は、着陸地点を画面中央に置いてから、ゆっくり降ろす。接地直前の強い衝撃は離着陸不良の5点です。
ちなみに私も講師として見ていますが、この科目は「操作」より「手順と声」で落とす人が圧倒的に多いです。
実技全体を貫く3つのコツ
① 機体を見ない。不安になっても振り返らない。指示なき視認は不正行為で即終了です。
② 確認はすべて声に出す。カメラで見ただけでは伝わりません。「経路ヨシ」「着陸地点ヨシ」を必ず言葉に。
③ 指示を待ってから動く。指示の前に動けば5点。工程の多い審査ほど、フライングが起きます。
8. 口述(飛行後点検・飛行記録)の攻略
飛行のあとにも口述があります。ここも取りこぼしやすい場所です。
飛行後の「機体の点検」と「飛行記録の記入」の2つを確認されます。
「あわせて5分」は、やってみるとかなり短い時間です。
鍵は、飛行後点検の流れを考えずに行えるか。次の順番を体に入れておきます。
- 機体の電源OFF → 操縦装置の電源OFF
- 機器の取り付け状況の確認
- プロペラ・フレーム・識別表示の外観点検
- 発熱・ゴミの付着の確認
日常点検記録への記載は、異常なしならチェック一つで済むので心配いりません。
飛行後点検・記録の減点表
| 減点細目 | 減点 | 内容 |
|---|---|---|
| 飛行記録の記載漏れ・誤り | 10点 | 飛行日誌の様式で、記載項目を一つでも書かない/飛行時間の計算に誤り |
| 点検漏れ | 5点 | 飛行後の状態確認に必要な点検を一つでも行わなかった |
| 日常点検記録の記載漏れ・誤り | 5点 | 様式の記載項目を一つでも書かない、または誤り |
| 飛行記録の軽微な誤り | 1点 | 飛行年月日・離着陸場所等の誤記 |
| 日常点検記録の軽微な誤り | 1点 | 点検日時・場所等の誤記 |
| 不正行為 | 不合格 | 助言・補助を受けた、円滑な実施を妨げた |
いちばん重いのは、飛行記録のミスの10点。点検(5点)より記録(10点)のほうが重い、と覚えてください。
そして基本と同じく、点検系と記録系は別カウントです。両方でミスすれば最大15点まで引かれ得ます。
記録で間違えやすい点
飛行記録の年月日は西暦で記入します。和暦は誤りに取られます。
実技は2科目ですが、審査中にバッテリーの交換が行われなければ1フライトとして数えてよいことになっています。離着陸時刻は試験員から提供されるので、飛行時間の計算ミスに注意。
計算ミスは「記載漏れ・誤り」と同じ10点です。必ず検算しましょう。
登録記号の記載漏れも定番のミスです。様式の上から順に、一つも飛ばさず埋めてください。
なお、飛行前点検ですでに減点された記載ミスは、飛行後で二重に減点されません。
離陸場所は迷わないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
複数バッテリーのフライトに分かれた場合は、総飛行時間の計算を間違えないこと。
※1フライトとして扱えるかは、試験員に必ず確認してください。
9. 2026年6月5日改正で押さえる点
改正の全体像は基本修了審査の記事で解説したとおりですが、目視内限定解除に効く点を挙げます。
保護具の着用が義務化されました。ヘルメットに加えて保護メガネも必須です。眼鏡は保護メガネの代わりにならないため、眼鏡の上から装着します。モニターの見え方が変わるので、審査前に必ず慣れておいてください。
経路逸脱の復帰が「おおむね2秒以内」に明確化されました。逸脱の通知は試験員が行います。
試験の同日完了が明文化されました。机上から口述まで同じ日に行います。
受験者補助員の制度が新設されました(直近2年で6か月以上かつ50時間以上の飛行実績が要件)。
風速の基準が「以下」から「未満」に変わりました。
10. 当日チェックリスト
最後に、忘れがちな項目をまとめます。
- 保護メガネ越しのモニターの見え方に慣れたか
- 点検でカメラの映像・動作まで確認したか(灯火は「非該当です」)
- 目視外への切り替え後、機体を見ない意識を保てているか
- 移動前の「経路ヨシ」、着陸前の「着陸地点ヨシ」を声に出したか
- 旋回後、画面中央に次の目標を捉えてから前進したか
- B→C・D→Eの高度変化を、移動しながら一定の割合で行えるか
- 10秒ホバは真下画像のHを基準に当て舵を打てるか
- 飛行記録は西暦・2フライト分・飛行時間の検算をしたか
20点しか余裕はありません。
「知っているだけで防げるミス」から潰していきましょう。
11. さいごに——登録講習機関の講師から
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
目視内限定解除の審査で、受講生を見ていて感じることがあります。
落ちる原因は、操縦技術よりも「目視の癖」です。
不安になると機体を見たくなる。確認を頭の中で済ませてしまう。指示の前に動いてしまう。
全部、目視内飛行で身についた癖です。この審査は、その癖を画面基準の習慣に置き換えられたかを見ています。
練習のときから、「見ない・声に出す・待つ」。この3つを徹底してください。
幸い、スクエアはGNSSが効きます。基本のATTIを乗り越えたあなたなら、操作自体には余裕があるはずです。
その余裕を、手順と声に全部使ってください。
一発不合格の項目——特に「機体を見ない」——だけは、絶対にやらない。それを守れば道は残ります。
当日は、深呼吸をひとつ。画面の向こうの機体を、いつもどおりに。
あなたの限定解除を、心から応援しています。
参考(公式情報)
- 無人航空機操縦士試験案内サイト(指定試験機関:日本海事協会 ClassNK)
- 技能証明試験の種別・手数料
- ドローン国家資格 完全ガイド
- 一等無人航空機操縦士 学科試験 完全攻略
- 一等無人航空機操縦士 基本修了審査 完全攻略
- 登録講習機関の修了審査は、国土交通省・指定試験機関の実地試験実施細則に準拠
※本記事は2026年6月5日施行の実地試験実施細則(一等・V章 目視内飛行の限定変更)および教則第4版に基づきます。制度・基準は改正されることがあるため、受験前に必ず所属の登録講習機関と公式サイトで最新情報をご確認ください。机上審査で使われる試験問題そのものは、取扱いの定めにより本記事には掲載していません。
最終更新:2026年6月



コメント