ドローンの飛行カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲとは?「ⅡA・ⅡB」の今と「レベル」との違いを図解

ドローンの飛行カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲとレベル1〜4の違いを示す解説アイキャッチ DIPS2.0

ドローンを屋外で飛ばすとき、まず最初に確認するのが「飛行カテゴリー」です。自分の飛行がどのカテゴリーに当たるかで、国への許可・承認の手続きが要るかどうかが決まります。この記事では、カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲの違い、かつて使われた「ⅡA・ⅡB」が今どう整理されたか、そして混同しやすい「レベル」との違いを、図でやさしく解説します。

飛行カテゴリーは「リスク」で3つに分かれる

航空法では、国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域・方法での飛行を「特定飛行」と呼びます。

そして無人航空機の飛行形態は、リスクの高さに応じてカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲの3つに分類されます。リスクが高いほうから順にⅢ・Ⅱ・Ⅰです。

リスクで分かれる3つの飛行カテゴリー
図1:カテゴリーは「第三者の上空を飛ぶか」を軸に分かれる

分かれ目になるのは「立入管理措置」の有無です。立入管理措置とは、飛行経路の下に第三者(操縦者や補助者以外の人)が立ち入らないようにする措置のことです。

区分内容手続き
特定飛行に当てはまらない飛行許可・承認は不要
立入管理措置をしたうえで行う特定飛行(=第三者の上空は飛ばさない)原則必要。要件を満たせば省略できる場合あり
立入管理措置をせずに行う特定飛行(=第三者の上空を飛ぶ)必ず必要。最も厳格な審査

※特定飛行に当たらない飛行(カテゴリーⅠ)でも、小型無人機等飛行禁止法や自治体の条例で規制される場所があります。別途確認が必要です。

「ⅡA・ⅡB」は今「カテゴリーⅡ」に一本化されている

制度が始まった当初の資料やフロー図では、カテゴリーⅡをさらに「ⅡA」「ⅡB」と呼び分けていました。

この呼び方でつまずく方が多いので、整理しておきます。

ⅡAとⅡBがカテゴリーⅡに一本化された図
図2:旧「ⅡA・ⅡB」は現在の国交省表記では「カテゴリーⅡ」にまとめられている

もともとの意味

ⅡAは、立入管理措置をしても必ず個別の許可・承認が必要な、リスクの高い飛行を指していました。具体的には、空港等の周辺、地上から150m以上、催し場所の上空、危険物の輸送、物件投下、総重量25kg以上の機体の飛行です。

ⅡBは、それ以外の特定飛行(DID=人口集中地区の上空、夜間、目視外、人や物件から30m未満)を指していました。こちらは、機体認証を受けた機体を、技能証明(国家資格)を持つ人が飛ばすなどの要件を満たせば、許可・承認を不要にできます。

今の整理

現在の国土交通省のページでは、ⅡA・ⅡBという呼び方は使われていません。正式な区分はあくまで「カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲ」の3つで、ⅡAに当たるものは「カテゴリーⅡ(許可・承認が必要な飛行)」、ⅡBに当たるものは「カテゴリーⅡ(許可・承認が不要な飛行)」と、文章で説明する形にまとまっています。

注意:DIPS2.0や民間の解説では今もⅡA・ⅡBが出てきます 行政書士やドローンスクールの解説では、今でもⅡA・ⅡBという言葉が使われることがあります。「ⅡA=手続きが必要なⅡ」「ⅡB=条件次第で省略できるⅡ」と読み替えれば、どちらの表記でも迷いません。

「カテゴリー」と「レベル」は別のものさし

ドローンの話では「レベル1〜4」という言葉もよく出てきます。これをカテゴリーと同じものだと思うと混乱します。

結論から言うと、カテゴリーとレベルは測っているものが違います

カテゴリーとレベルの違いを並べた図
図3:カテゴリーは「手続きの区分」、レベルは「飛ばし方の段階」

カテゴリー=航空法の「手続きの区分」

カテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲは、航空法で定義された正式な区分です。第三者の上空を飛ぶか(立入管理措置の有無)を基準にして、許可・承認が要るかどうかを決めるためのものさしです。

レベル=飛ばし方の「技術的な段階」

レベル1〜4は、官民協議会のロードマップで使われてきた区分で、目視か目視外か・自律飛行か・どんな場所かといった「飛ばし方の難しさ」を段階で表したものです。法律上の手続き区分そのものではありません。

レベル飛ばし方主なカテゴリー
レベル1目視内での手動操縦Ⅰ/Ⅱ
レベル2目視内での自動・自律飛行Ⅰ/Ⅱ
レベル3無人地帯での目視外飛行(補助者なし)
レベル3.5機上カメラ等で立入管理する目視外飛行
レベル4有人地帯での目視外飛行(補助者なし)

たとえばレベル4飛行(有人地帯の補助者なし目視外)は、カテゴリーⅢに含まれます。一等無人航空機操縦士の技能証明と第一種機体認証を受けた機体で、リスク評価に基づく審査を通った場合に限って実施できます。

一方、レベル3はカテゴリーⅡに当たります。つまり「レベルが上がるほどカテゴリーも厳しくなる」という対応関係はありますが、両者は別の軸で整理されている、と覚えておくと混乱しません。

ここだけ押さえれば大丈夫 カテゴリー(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)は「手続きが要るかどうか」を決める法律の区分。レベル(1〜4)は「どんな飛ばし方か」を表す技術の段階。ⅡA・ⅡBは今のカテゴリーⅡの中の「必要/不要」を指す古い言い方、という3点です。

まとめ

自分の飛行がカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲのどれに当たるかを最初に判定すれば、DIPS2.0での手続きの要否がはっきりします。

ⅡA・ⅡBという表記を見かけても、「カテゴリーⅡの中の、手続きが必要なものか/省略できるものか」を表しているだけ、と分かっていれば迷いません。そしてレベルは、あくまで飛ばし方の段階を示す別の指標です。

実際の判定や申請は、DIPS2.0の画面に沿って進めれば自動でカテゴリーを案内してくれます。判断に迷うときは、無人航空機ヘルプデスク(050-3385-4717/平日9〜17時)に確認するのが確実です。私自身も登録講習機関で講師をしていますが、受講者から最も質問が多いのがこのカテゴリーとレベルの違いです。図のイメージで押さえておくと、申請の場面でぐっと楽になります。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」(mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html)。本記事は2026年6月時点の情報に基づきます。制度は改正されることがあるため、申請時は必ず国土交通省の最新情報をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました